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金融ショックに備えるために

みなさんこんにちは。

世の中にはいろんな人がいるものです。

最近ではFTX(注)の破綻が連鎖し、
近々世界のどこかで金融ショックが起きるという人もいます。

注)FTXはアメリカの新興仮想通貨取引会社です、
  放漫経営の結果、先日突然破綻しました。

あながち否定できないところが金融界の怖いところで、
たしかにその可能性はあると僕も思います。

これだけ中央銀行がお札を刷りまくっていますから、
市場のどこかにひずみが生じていても不思議はありません。

ヘッジファンドなど一部の機関投資家が、
仮想通貨でリスクを溜め込んでいる可能性もあります。

しかも世の中は一寸先は闇で、
たいがいの場合、金融ショックは思わぬところが
発生源になり突然やってくるものです。

そもそも事前に分かっていれば、
みなショックに備え持ち高を調整しますから
その時点でショックの芽は成長を止めます。

怖いのは予期せぬところで成長するショックの芽です。

その観点で言えば来年もどこかで金融ショックに見舞われる可能性を、
私たちは想定しておかなければなりません。

でもいつやってくるかわからないショックにおびえ、
株から手を引くのはちょっと違うと思うのです。

そもそも株式投資は短期的なリスクを承知のうえで、
長期のリターンをとりに行く作業です。

いつやってくるかわからないショックにおびえ、
ひたすら現金を溜め込むならば、
その現金が持つリスクはどうやって回避するというのでしょう。

結局私たちはどこかでリスクをとっている、
もしくは「とらされている」のです。

よく考えてみると、金融ショックに備えるため、
私たちがとるべき方針は二つしかないことがわかります。

一つ目は「資産の質的な分散」です。

たとえば先進国株と新興国株への分散について考えてみましょう。

平時ではこの分散は機能しますが、
大きなショックがやってくればどうでしょう。

株ならば先進国株、新興国株に関係なく、
全部やられてしまうのはリーマン・ショックで見た通りです。

大きなショックの前では、あらゆるものが換金対象になり、
流動性のあるものなら理屈ヌキで売られます、

同じ理由で株と債券への分散も機能しません。

このように考えてまいりますと中途半端な分散では分散の意味がなく、
株や債券、現預金といった「ペーパーアセット」から距離のある資産、
いいかえれば不動産、貴金属、コインといった「実物資産」への分散しか
手がないことがわかります。

金融ショックに備えるため、
私たちがとるべき二つ目の方針は、
ポートフォリオを軽々にいじらないことです。

たとえば株が儲かったからといって株を買い増してはいけません。

つねに金融ショックを意識し、株式部分が膨張すれば、
逆に一部を売却し元の比率に戻さなければなりません。

このように平時から金融ショックを意識しポートフォリオを管理しておけば、
突然やってくるショックに慌てることはありません。

こんなふうに考えると金融ショックへの対処は、
いつやってくるかを当てることが重要なのではなく、
平時から準備しておくことのほうがよほど大切だということがわかります。

 

では今回はこのへんで。

(2022年11月25日)




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