ホーム > T's資産運用コラム > クアドリガに投資するか? ワンルームマンションに投資するか?
クアドリガに投資するか? ワンルームマンションに投資するか?
皆さんこんにちは。今回は「ワンルームマンション」と「ヘッジファンド」について考えてみたいと思います。少し変わったくみ合わせだとお思いでしょうね。
そもそも、この2つの商品は何の関係もないようにみえますが、いくつかの共通点もあります。

例えば

・どちらもレバレッジのかけ方を投資家が決められる
・アセットアロケーションを作るとき、株・債券以外の「その他資産」として位置づけることができる
・レバレッジのかけ方次第で(概ね)6%程度のミドルリターンから30%程度 のハイリターンまで幅広く狙える商品である

このように商品の性質は全く違いますが、金融商品マップ上の『位置取り』が似通っているため「ワンルームマンションを買うべきか、ヘッジファンドを買うべきか」という選択肢でお悩みの方は結構いらっしゃいます。

今回はこのような点でお悩みの方のため、両者のリスク・リターンを比べてみました。
例えば、レバレッジのかけ方を比べてみますと
ヘッジファンドの場合は、ファンドごとにレバレッジの倍率が決まっていますが、投資家はどのファンドを選ぶかを決める事により実質的にはレバレッジの倍率を決定する事ができます。

例えば、クアドリガ社のスーパーファンドなどは、(主に)レバレッジの倍率の違いのみで商品を3つに分けています。
一方でマンション投資についてはどうでしょうか?
こちらはさらに柔軟にレバレッジの比率を決める事ができますよね、例えば、頭金として総額の25%入れればレバレッジは4倍というふうに・・・
もちろんこのレバレッジの掛け方の違いはリターンの違いになって現れます。
例えば、実質利回り6%、総額800万円のマンションをキャッシュで買ったとしましょうか、この場合の投資額に対するリターンは年率6%になります。

では、頭金を25%(200万円)だけ用意して購入すればどうでしょうか。

年間の実質収益は 800万円×6%=48万円となります。
ところが一方で借入金600万円に対して、仮に5年間固定の2.8%ローンを組んだとしますと、初年度の利払い(超概算です)は600万円×2.8%=16.8万円となり、利払い後の実質収益は48万円-16.8万円=31.2万円となります。

一方で投資額は200万円ですので、投資した資金に対する収益率は31.2万円÷200万円=15.6%となります。
実際にはローンの利払いは逓減しますが、話が複雑になりますのでここでは無視しておきましょう。

レバレッジ4倍で、年間収益率15.6%・・・まあまあですね、ワンルームマンションも悪くないと思います。

ではヘッジファンドのほうはどうでしょうか。
またクアドリガを例にとりましょう、レバレッジ4倍と言いますとちょうどスーパーファンドA(レバレッジ3倍〜5倍)に相当します。
このファンドの年間平均リターンはといいますと、設定以来の平均値で23.8%(単利ベース)となっていす。
レバレッジは同じですが、ワンルームに投資するよりリターンはいくぶん高くなっていますね。
クアドリガで全てのファンドを代表させてしまうのは、やや乱暴ではありますが、大まかな傾向はつかめると思います。

では、それぞれのリスクにはどのようなものがあるのでしょうか?

『ワンルームのリスク』
・人口減少による部屋あまりリスク
我が国の人口は2015年にまでに、現在より1.2%程度減少すると言われていますが、一人世帯の増加もあり、世帯数ベースでは2015年までに逆に3%増えるとされています(人口問題研究所)特に首都圏では人口流入も続き、世帯数の伸びは全国平均をさらに上回る見込みです。
ワンルームに限って言えば、それほど大きなリスクとはいえないかもしれませんね。

他にも
・老朽化・空室リスク
・流動性リスク
・地震など災害のリスク
などを想定しておく必要があります。特に、地震については保険に加入しても、再建築費用の50%程度までしか保険金はおりないので注意が必要です(逆に、新築してしまえば賃貸料が高くなり、仮にローンを組んだとしてもかえって利回りは高くなる場合もありますが)

『ヘッジファンドのリスク』
・収益変動リスク

年間の収益率は激しくブレます。
・信用リスク
ファンドそのものが早期償還されたり、場合によっては破綻の可能性もないとは言い切れません。これは、マンション投資の地震リスクと似ていなくもないですね。

・流動性リスク
通常解約申請から1ヶ月〜3ヶ月程度かかる場合があります。
・為替リスク

以上ワンルームマンションとヘジファンドという2種類の金融商品について考えてみました。

最終的にはこのようなリスク/リターンを十分に理解したうえでさらに、ご自分のアセットアロケーション全体を見渡し、通貨のバランスなどにも配慮した上でお決めになってはいかがでしょうか

totop