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株価は居心地の良い場所を探す
皆さんこんにちは。
自然界で起こるあらゆる現象は、もともと自分たちにとって居心地のいい場所を持っていて、いつもその場所を探しているように思います。

株の値動きまでも、自然現象にひっくるめてしまうとすれば、株価というものも、その時々の経済的な環境を横目で見ながら、自らの居心地の良い場所を、いつも探し続けているのかもしれません。
本来居るべき心地の良い場所と、現在置かれている場所に乖離が生まれ、仮にそれがさらに広がって行った場合、株価には時として大きく居場所を修正せざるを得ない場面があるようです。

一方で株の値動きというものには、一定の慣性が働いているようにも思います。
もともと人間というのは欲望の大きな生き物です、おそらくその欲が、株の値動きが持つ「慣性」の正体なのではないでしょうか。
多くの参加者がもっと儲けたいと思う、その欲の集まりが結果として今までのトレンドを継続させる原動力になっているように思います。

一方で、上昇しすぎた相場が本来の居心地の良い場所に復する過程では、今度は人間の恐怖心がこの動きを先導しているように思います。
恐怖に駆られたお金の集まりは、我先に今までの流れから逃げようとしてポジションを閉じ、その結果一気に逆のトレンドが発生するというわけでね。
慣性の法則に従って上昇を続け、本来の居心地の良い場所との乖離が許容範囲を超えた場合、ちょっとした外的な要因でも株価というの大きく居場所を修正し、本来あるべき場所まで一気に戻る場合がよくあります。まさに「欲望と恐怖の狭間で株価は動く」といえるのではないでしょうか。

人間の心のなかに、この欲望と恐怖心がある限り、株価というのは乖離と修正を繰り返しながらも、結局は本来のトレンドを描いてゆく、私はこのように思います。

さて現在の株価水準ですが、どうやら昨年末に広がった乖離の訂正が行われているようですね、おそらく居心地のいい場所を現在模索中といったところでしょうか。
しばらくは、今の株価付近あたりのボックス圏で推移するのではないでしょうか。
ただ、日本という国全体を見た場合、そのファンダメンタルズにここ数ヶ月の間に大きな変化があったとは思えません、いやむしろ日を追って好転しているように思います。
現在の株価がどこかで居心地の良い場所でなくなる時、また株価は大きく動く。
そういう気がしています・・・

さて、値動きの「慣性」について余談を申し上げますと、この「慣性」を利用した運用手法が「トレンド・フォロー」です。
マンのADPやクアドリガのSuperfundなどは代表的なトレンド・フォロー型のファンドですが、これらのファンドは、商品の価格や株価が、継続して同じ方向に値動きし易いという特性を利用して運用が行われているわけですね。
恐らくプログラムの開発に当たっては、このような人間の心理の研究も随分と行ったのではないでしょうか・・・

欧米人というのは全くよく考えます。

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