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どちらが優れているのか
皆さん、こんにちは。

今回は6/18(月)に放送された「NHKスペシャル」を見て感じたこと
を少し書かせて頂こうと思います。

現在の英米型の企業経営の本質は何かという事について考えますと、
おそらくそれは「効率の追求」という一言に凝縮できるのでは
ないかと私は思います。

投資家から集めた「資本」の利用効率を最大限に高め、
企業の所有者である株主に最大限のリターンをもたらすこと、
これが彼らが言う「効率の追求」です。

企業の存続が求められるのは、企業の所有者である株主が利益を
継続的に得るためであり、投資ファンドはじめ大半の株主は、
「企業の継続」そのものに意義を感じているようには見えません。

企業が成長を求めらるのは、企業の所有者である株主が、将来の
利益を最大化したいがためであり、副次的にそれが社会に貢献することが
あったとしても、社会貢献自体が投資の目的になることはありません。
(その昔の、GEやフォードの草創期のような好ましい企業
文化は、いまではあまり見られませんね)。

また彼らは(例えば現在のGEのように)従業員に対する研修を重視し、
従業員の質を高めようと努力はしますが、それは従業員の成長の
ために行っているのではなく、(一部の例外を除き)単に企業の生産性
(言い換えれば資本の投資効率)を高める手段として行っている
に過ぎません。

このように、彼らの企業経営に対する目的は、「資本」を
どれだけ効率よく利用するか、この一点に絞られているように
思います。

これに対して我が国の企業経営を見ますと、その根本的な
本質の点で大きな開きがあるように思います。

我が国の企業は、世界でも類を見ない長い歴史(注)を持っていますが、
株式会社に限って言えば、それは明治以降に英米から持ち込まれた
一種の輸入品に過ぎません。

(注)番組によりますと、我が国最古(にして世界最古)の企業である
金剛組は飛鳥時代の創立、1400年にわたってその事業を継承して
きたといいますし、他にも3000社以上の企業が、200年以上の
歴史を持っているそうです。

日本独特の風土、慣習、文化の中で長年培われてきた土台のうえ、
言わば2階部分として株式会社という輸入品が乗かっている・・・
これが今の日本企業の姿なのかもしれません。

そのように考えますと、我が国の企業が(一応は株式会社という形態
をとりつつも)英米の「効率の追求」型企業とは一線を画し、
株主、従業員、取引先、顧客など、企業を取り巻く多くの関係者の
利害を調整しつつ、長期的な視点で経営を行おうとする理由が
理解できるような気がします。

株式会社の発祥は、オランダの東インド会社だといわれて
いますが、その株式会社は英米の文化を背景に、20世紀を通して大いに
進化、繁栄し、今ここ日本においてまた新しい段階を迎えようとしている
のかもしれません。

英米型の企業経営が日本型の企業を圧倒し、その資本の論理の
なかに飲み込んでしまうのか、それとも何らかの融合が行われ、
株式会社は日本で新たな発展を見せるのか・・・

私達の祖先は、常に海外から新しいものを導入し、その都度
うまく消化し、日本的なものに作り変えてきました。

今起こりつつあることは、私達の祖先が経験してきた数多くの出来事の、
ほんの一つに過ぎないのかもしれません・・・



では 今回はこのへんで。





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