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コモディティへの投資あれこれ-その1
皆さん、こんにちは。

ここ数ヶ月、コモディティ相場の上昇が際立ってきましたね、
昨年の今頃はコモディティ価格の上昇と聞いても、どこか
遠い世界で起こっている出来事のようで、私達の生活にどのような
影響があるのか、皆さんピンと来なかったのではないでしょうか。

なぜなら原材料価格が多少騰がっても、最終製品を作っている企業が
コスト削減に努め、その上昇分を吸収してきたからです。

ところがその吸収もどうやら限界に達しつつあるようで、いよいよ
私達が日々消費する最終製品にも影響が出始めました・・・

このような最終製品の価格上昇を肌で感じ、不安を感じる方が
増えてきた一方、一部のアンテナと高い人は、逆にこのコモディティ
価格の上昇を利用して、資産を増やす方法はないものかと考え始めて
いるようです・・・ただ、なにしろコモディティが私達の資産運用
の対象として認知され始めてまだ日が浅く、ほとんどの方は、具体的な
投資方法について十分に知識をお持ちではないように感じます。

そこで今回と来週、2回にわたって私自身がここ数年にわたり
相談者の皆様にご提案さしあげてきた、『コモディティへの投資手法』
の一端を御紹介させていただこうと思います。なお、一回目は初級者むけ、
二回目(来週)は中級者の方を意識して書かせて頂くことにします。

まず一番簡単な方法はコモディティの現物を保有するという方法、
ただしこの方法は例えばトウモロコシや砂糖など、かさ張るもの
はダメ(トウモロコシを1トンとか・・家の中に入れると大変ですよね)、
金、銀、プラチナ(銀もちょっと厳し!)など貴金属が対象に
なります。

購入は田中貴金属や徳力本店など、貴金属商の店頭がいいでしょう
(電話での注文も可)、もちろん商品先物取引業者の店頭でも
買えますが、時折商品先物取引の営業をされますので・・・ここいらは
避けておいたほうが無難でしょう。

店頭で買える貴金属は1キロや500グラムのバーのほか、1オンス
や1/2などのコインがありますが、それぞれ売買手数料のほか、
スプレッド(注)があります、購入ロットに応じ、スプレッドと
売買手数料の合計を都度計算して一番ローコストなものを購入する
のがよろしいでしょう(よくコインは手数料が無いので有利だと
いわれますが、スプレッドが高いのでかえって高コストになる場合
があり注意してください)。

(注)スプレッド:売値と買値の差のこと、これも貴金属商の収益になります。

話は変わりますが、いまは貴金属商の店頭にゆくのはやめておいた
ほうがいいかもしれません、なぜなら金価格の高騰で、かつて安い時期に
購入された方が大挙して店頭に訪れ、売却に長蛇の列。昔から
金は常に経済の強い国に移動すると言われていますが、いま大量に
金を買っているのは中国やインド、中東の人たちです、金は新たな
持ち主を見つけたのかもしれませんね・・・余談でした。

次に手軽な方法は、コモディティ関連の日本株への投資
ではないでしょうか。

例えば住友金属鉱山(5713)という会社。

この会社は菱刈鉱山という良質な金鉱を保有していることで有名ですが、
他にも国内外に貴金属・非鉄金属の鉱山を多数保有しています、同社の株を
保有することは、間接的に貴金属や非鉄金属を保有することにも繋がります。

同社のほかにも鉱山を保有している日本企業はたくさんあります、
このような会社の株式への投資は、いずれも皆さんの資産ポートフォリオ
にコモディティを組み入れる手法として有効です。

上記のように個別株への投資は骨が折れるのでイヤだとおっしゃる方には、
コモディティ関連株ファンドへの投資もアリでしょう。

例えば金鉱山株ファンドというのもあります、日本人に一番なじみが
あるのは

・BlackRock World Gold


ではないでしょうか、このファンドは世界各国の(主に)金鉱山会社株
に投資するファンド、国内の証券会社でも購入可能です。

同じBlackRockのファンドでも

・BlackRock World Mining


というファンドもあります、このファンドは上記の金鉱株ファンドと
は違い、非鉄鉱山、貴金属鉱山など幅広い鉱山株に分散投資する
ファンドです、非鉄金属の価格は、金価格と比べ米国景気の影響を
受けやすいという特徴を持っております、従って米国の景気拡大局面
で投資するのでしたら、本ファンドへの投資のほうが有効ではないで
しょうか、もちろん米国の景気回復がまだまだ先だとお考えでしたら、
Goldファンドのほうをお買いになるとよろしいでしょう。

ただし、本ファンドは上記のGoldファンドと異なり、そのもの
ズバリの商品は国内で買えません、本ファンドを50%組み入れた
ファンド・オブ・ファンズでしたら大和証券にありますが・・・

ほかにも銀鉱山に投資するファンドもあります、銀の価格は年初来
約+35%の上昇ですが(これに対し金は約+16%)、銀の価格が今後も
上昇つづけるとすれば銀鉱山ファンド(なまえは伏せさせて頂きます)
への投資も有効でしょう。

以上御紹介したファンドはいずれも株式に投資するファンド、これらの
ファンドはコモディティそのものの価格変動の影響も受けますが、残念
なことに株式市場の影響も同時に受けてしまうことになります。

その結果、現在のようにコモディティの価格上昇と、株価の下落が同時
に起こった場合、それらが打ち消しあって本来のコモディティ価格上昇
の波に乗れないという状況になってしまいます(一方で、コモディティ
価格と株価がシンクロして上昇する相場では、この手のファンドは
驚くほどの上昇率をみせる場合がありますが・・・)。

従って現在のような環境では、むしろコモディティ価格に素直に連動
するファンドのほうが高いパフォーマンスを示す可能性があります。

少し長くなってきましたので、続きは次回に!


では、今回はこのへんで。
(2008年3月4日)




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