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FPという仕事
皆さん、こんにちは。

相談者のポートフォリオを構築する時、私はまず「円建ての資産」と
「外貨建ての資産」に分けるところからスタートします。

この過程で、多くの方は外貨での運用ウエイトを、比較的高くすることを
ご希望になりますし、昨今この傾向は、ますます強くなってきている
ように感じます。

これは日本の将来に明るい見通しを持っていないことの裏返し、
私としては多少寂しい気持ちもいたしますが、これも仕方ないことかも
しれません・・・

とはいっても、例えば昨年8月の1ドル=125円から今年3月の
1ドル=95円まで、約25%の円高が進行したわけですが、この間、
仮に資産全体の60%を米ドルで保有する人がいれば、それだけでその人は、
資産の約15%を失うことになったわけです。

いくら長期投資と決め込み、いずれは円安転換と達観したとしても、
半年で15%も資産が減ってしまいますと、決して心穏やかではいられ
ないのが人の心情というもの、なかには投資そのものを諦め、再び
全額預貯金へという人もいらっしゃるかもしれません。

私はファイナンシャル・プランナーという仕事は、単なる投資アドバイザー
ではなく、人それぞれの適正や性格、心情などを見極めたうえ、
ポートフォリオを作ってゆくことが求められる職業だと思っています。
言い換えれば数字に現れない、相談者の性格や金融商品に対する理解度
といった、ある種内面的なことを踏まえたコンサルが求められる場合が
あるということ・・・

例えば冒頭申し上げた円貨と外貨の比率の決定は、資産全体
の潜在リスクに大きなインパクトを与えるという意味で、非常に重要な
判断になりますが、ある方にとって、例えば60%の外貨比率は低すぎ、
そのリターンの低さがストレスになる場合もありますし、逆に60%の
外貨比率が高すぎて、価格変動に夜も眠れないというケースも起こりうる
という具合です。

仮に収入も同じ、資産残高も同じ、家族構成も同じ二人の相談者が
いたとしても、それぞれの為に作るポートフォリオは全く違う・・・
このようなことはあっていいと思いますし、またそうあるべきだとも
思っています。

このように考えて参りますと、ファイナンシャル・プランナーという
職業は単に金融知識の切り売りではない、なかなかに奥の深い仕事のように
思います。


では、今回はこのへんで。
(2008年5月22日)




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