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時差投資で勝つ
みなさんこんにちは。

その昔、ソフトバンクの孫さんが『タイムマシーン経営』
という言葉をよく使っていました。

これはどういうことかと言いますと、例えば「米国のIT分野で
流行したビジネスを日本国内に持ち込めば、必ず日本でも
成功する」、このような考えに基づいた経営ということに
なるでしょう。

言い換えれば、日米の流行の時間差を利用した収益追求の
方法といえるわけで、iPhoneの成功などは、数多くの孫さんの
『タイムマシーン経営』の成功事例の一つといってよいでしょう。

このような収益機会の追及は、成功率が高く、かつ低リスク
という点で非常にクレバーだと思いますが、一方でこれは、
孫さんのような大きな資本にして、初めて成し得るわけですね。

私たちのような一般市民とは別世界のような気も致しますが、
こと資産運用の世界では、私たちでも十分このような
『時差を利用した収益の追及』は可能です。

例えば今の世界経済を見渡してみますとどうでしょうか。

昨年景気の回復は中国で始まり、それが韓国、台湾、アジア、
豪州へと広がってゆきましたね。

世界の景気も、その拡散原理は孫さんが注目する『流行』と、
さほど大きな違いはなく、中心部から周辺部に向かって連鎖的に
伝播してゆくわけです、この場合の中心部は新興国で、周辺部は
日本を含む先進国ということになるでしょう。

一方で株価は基本的には景気の投影です。

昨年まず新興国株が上昇し、やや遅れて先進国株が上昇始めた
のは、上記のような理由からではなかったでしょうか。

ではそのような観点で現在の日本株をみるとどうでしょうか、
果たして『時差を利用した収益機会』は、まだ日本株に残って
いるのでしょうか。

私は全ての日本株に『時差投資』のチャンスが残っているとは
思いませんが、特定のセクターでは、まだ十分そのチャンスが
あると考えています。

ではいったいどのセクターに、チャンスは残っている
のでしょうか・・

例えば外需株のうち、商社や非鉄金属など資源関連株
はどうでしょうか。

確かに非常に有望な投資対象だとは思いますが、資源価格は
そもそも世界的に一物一価ですから、新興国企業と日本企業が
受ける恩恵に、時差はありません。

従って大雑把にいってしまえば、資源株に関しては、
日本株と中国株の間に時差はないといえるでしょう。

また同じ理由で海運株も『時差運用』の対象とはいえない
でしょう。

ではいったいどのような銘柄群が、この『時差運用』の対象に
なるのでしょうか・・・

私は特に設備投資関連、なかでもエレクトロニクスの設備投資関連
銘柄が、この『時差運用』の対象になると考えています。

ご存知のように昨年来、アジアの自動車生産や電気機器の
生産は急速に回復し、同地での設備投資需要は大変な盛り上がりを
みせています。

これに対し日本国内の設備投資はまだまだ低調で、
2010年度の設備投資額をみると、大企業製造業で0.9%減にとどまる
見通しです。

このアジアと日本の間にみられる設備投資の時差は、
まさに冒頭の景気回復の時差によるものではないでしょうか。

そして今後景気回復がアジアから日本に連鎖することにより、
日本企業もアジア企業同様に業績改善を織り込む形で、徐々に
設備投資を増やしてゆくことになるはずです、設備投資は企業業績に
対して遅行性がありますので・・・

ちなみに日本の大企業製造業の2010年経常利益は、対前年で
プラス49.3%を見込んでおり、これは期初計画ベースで過去最大の
伸び率です。

では、今回はこのへんで。
(2010年4月13日)




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