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下期の相場、つれづれに・・・
みなさんこんにちは。

今日から6月、私が大好きな夏に入ると同時に
2010年上期もそろそろおしまいです。

今回はキリのよいところで、下期の世界経済や
相場についてあれこれ考えてみたいと思います。

まず避けて通れないのは遠いギリシャのお話し。

前回のサブプライム危機と比べ、地震のマグニチュード
そのものは随分小さいと私は思います。

感覚的にサブプライムのマグニチュードが8.2ほど
だとすれば、ギリシャ危機は7.3ほどでしょうか・・

昨年末から中東で類似の地震がありましたが、ちなみに
あっちは6.4ほど・・

人間はみえない危機には過剰に反応しがちですが、
危機の全貌がみえますと、それなりに落ち着いた対応が
とれるもの。

そういう観点でみても、今回の危機には救いがある
ように思います。

ただし前回の危機が、純粋に金融システムに起因したもの
であったに対し、今回の危機の震源が実体経済にあった点には
注意が必要だと思います。

即ちギリシャが適切な成長戦略をとらず、放漫財政の結果、
いたずらに財政赤字を膨らませ続け、危機に至ったという意味
においてです。

この構図は我が国の現状とよく似ていますが、
今回そのお話しは置きます。

仮に純粋な金融のシステム上の問題であれば、比較的短期間の
うちに、システムに改修を加えることができるのでしょうが、
問題の根源が実体経済に達している場合、そうはゆきません。

今回の場合のように財政赤字削減計画を策定することは、
それほど難しくはないでしょう、がこれを実行に
移すとなればどうでしょう。

国民は痛みを伴う改革を受け入れざるを得ず、相応の時間が
必要になるのではないでしょうか、また計画を実行するためには、
政治が国民から厚い信頼を受けていることが前提になりますが、
この点もまたやっかいな問題です。

遠くでみるかぎりギリシャ国民は、自国の政治を
信頼していないようにみえます。

ただよく考えてみると、そもそも一国の政治がその国民の
民度を超えて屹立しているなどということはありえず、
ギリシャ国民の政治不信は、ギリシャ国民そのものに
問題があるといえなくはありません・・・残念ながら我が国の
現状と同じく。

このような点で、ギリシャの財政問題の解決には
相応の時間がかかると思いますし、結局ドイツとフランスが
妥協して、問題児にお金を渡し続ける構図が続くのでは
ないでしょうか。

これはもちろん両国や欧州の実体経済に、少なくとも向こう
数年は悪影響を及ぼし続けることになるはずです。

ただ一方で幸いなことにユーロ安は、しばらく続く可能性が
あります。

ギリシャ問題が片付かない限り、ユーロには常に売り圧力がかかり、
ドイツ・フランスは救われる・・・その結果、両国はギリシャを
支援する余裕ができる・・・このような皮肉なスパイラルがしばらく
続くのではないでしょうか。

一方でユーロ安はドル高、円高です。

ユーロ安によって最も大きな打撃を受けるのは、
欧州を最大の輸出相手にする中国でしょう。

おりしも中国は不動産バブルを警戒し、現在金融引き締め
モードに入っています、また例の4兆元の経済対策も、そろそろ
効き目が切れようとしているところです。

ただし中国の成長の圧力は強いですから、冷静に考えますと
中国がギリシャ問題をきっかけに、経済の二番底を迎える
可能性は極めて低いと私は思います。

現実には経済成長率を僅かに下げる程度ですむのではないでしょうか。

なおこの"僅かな経済成長率の下げ"は、中国当局がまさに
望むところで、彼らにとってはかえって好都合なのかも
しれませんね。

もちろんこの問題は中国だけの問題ではありません、
中国経済の微減速をとおし、中国への輸出ボリュームが大きな
日本、豪州、米国へと経済の微減速の輪は、薄まりながらも
広がってゆくことになるでしょう。

言い換えればこれは、ギリシャの財政赤字を世界中で広く
浅く負担する構図なのかもしれません。

以上のような状況が、ここしばらく続くことになるのでは
ないでしょうか。

相場について申し上げるなら、世界経済の微減速によって、
新興国株も先進国株も2009年のような急回復は無いと思います。

が、私は経済の基調は依然回復過程にあると思っています、
株式相場は、再度ゆるやかに上昇を始める可能性が高い
のではないでしょうか。

コモディティに関しても同様で、しばらくの調整の後、
世界経済のゆるやかな回復を確認しながら、徐々に上昇と
みております。

以上銀座みゆき通りの人の流れをみながら・・
つれづれに考えてみました。

では、今回はこのへんで。
(2010年6月1日)




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