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ファミリータイプ・マンションの歪み
みなさんこんにちは。

前回はワンルーム・マンションのお話しを致しましたが、
今回はもう一つの選択肢として、ファミリータイプの
マンション投資についてお話ししましょう。

よく巷では『ワンルームVSファミリータイプ』という構図で
語られますが、私はそのような二者択一には、さほどの意味は
無いと思っています。

不動産といいますのはなかなか面白いもので、人それぞれの
ライフプランや投資の目標が異なるように、(同じ物件でも)
十人十色の使い方があるようです。

例えば「ある人にとっては圧倒的にワンルーム物件が好ましいが、
ある人にとってはファミリータイプの物件が好ましい」といったこと
がごく普通にあるわけです。

従って皆さんにとって『ワンルームVSファミリータイプ』
という構図にはさほど意味が無く、むしろ『不動産投資に何を求めるか』
という視点が重要になってくるのではないでしょうか。

そのような視点でファミリータイプの中古マンションをみますと、
なかなか興味深い点が見えてきます。

一般にファミリータイプの物件は、ワンルーム・マンション
と違って、以下のような点で投資には向いていない点があります。

・利回りがワンルーム物件に比べ低い点(一般にファミリータイプ
 の物件は、物件価格に比べ賃貸料収入が低く、利回りの点で
 少々物足りなさがあります)。

・物件価格がワンルームに比べ比較的高額で、仮にローンを組むにしろ、
 ある程度まとまった資金が必要である点。

・ファミリータイプのマンションは、ワンルーム・マンションに比べ
 賃貸ニーズは低く、空室リスクが高い点。

このような観点から一般に、ファミリータイプのマンションは
投資の対象となりづらく、主に購入者が自ら住むため、いわば
『実需』の資産として流通市場が形成されてきたといえるでしょう。

ところがなかには分譲されたファミリータイプのマンションに、
オーナー自らが住むことなく、賃貸物件として利用される場合があります。

その背景にはオーナーごと様々な理由があるのでしょうが、
その代表的なものは転勤による引っ越しでしょう。このような場合、
オーナーはマンションを一時的に賃貸に出し、保有を続ける場合が
あるわけです。

こうして『賃借人がついたファミリータイプの中古マンション』
が生まれることになるわけです。

ところが一方で、オーナーがこのような『賃借人つきファミリータイプ
のマンション』を、中古マンションの流通市場で売却しようとすると、
大変苦労することになります。

ワンルーム・マンションの場合、オーナーの購入目的はほぼ100%
投資目的です、従って物件に『賃借人』がついていることは、
むしろプラスに作用することになります。

これに対しファミリータイプの物件はどういでしょうか・・・

ファミリータイプのマンションの場合、冒頭申しあげた理由で、
オーナーの購入目的は投資目的ではなく、大半は自ら住まうため、
いわば居住用といういわば『実需』です。

従って既に賃借人が居座っている物件は、まずその時点で
購入対象から除外されることになるわけですね。

つまり『賃借人つきファミリータイプのマンション』は、
購入希望者が少なく、従って不人気物件ということになるわけです。

一般的にこのような物件は、賃借人がついていない物件に比べ、
20%から30%程度ディスカウントして売買されているといわれています。

これは投資の世界でいうところの、一種の『歪み(ゆがみ)』
かもしれませんね。

このような物件を敢えて取得することにより、投資家は市場で決まる
相場より低い価格で購入することができますし、賃借人が住んで
いる限り、(ワンルーム物件ほどの高いリターンではありませんが)
安定的な賃貸料収入を得ることもできます。

一般的にファミリータイプ・マンションの平均的な賃借人回転年数は
5年程度といわれていますので、平均2〜3年後には賃借人は出て
ゆくことになるでしょう。

ワンルーム物件の場合、この賃借人の退去は決してありがたいお話し
ではありませんが、ファミリータイプの場合は少々事情が異なります。

なぜなら賃借人が退去した後は、いわば居住用物件として
大勢の『実需』の購入者を相手に、物件の売却交渉をすることが
できるわけですから。

そこには比較的短期のサヤ抜きのチャンスがあるわけです。

昨今中古のファミリータイプのマンションは、新築物件と比べた
価格の安さから注目を集めています。もちろん立地や物件の状態にも
よりますが、比較的高い流動性を期待できるのではないでしょうか。

ワンルーム・マンションにも、長期的なインカムゲインを
得られるという大きな意味合いがありますが、このように出口戦略を
明確にしたファミリータイプ・マンションへの投資も、一考の価値が
あると思います。



では、今回はこのへんで。

(2010年10月19日)




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