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いかにしてトータル・コストを下げるか

みなさんこんにちは。

前回、前々回の2度にわたり、弊社の資産運用に
関するポリシーをご紹介してきましたが、今回は3つ目
のポリシーについて書かせて頂きます。

ポリシー編は今回で完結です。

前回お話ししたように、私は景気サイクルから受ける影響を
より小さくするため、資産の一部をマネージド・フューチャーズ
に配分致します。

このマネージド・フューチャーズは安全性や流動性に
優れており、また当然のことながらその価格変動の点で、例えば
株やコモディティなど、いわゆる『サイクル性資産』に
みられない長所を持ちますが、一方で保有コストの点では
どうひいき目にみても、投資家にとって有利な
金融商品とはいえないでしょう。

一般的なマネージド・フューチャーズのコスト体系は

・購入手数料
・管理費用(日本流にいうなら「信託報酬」)
・成功報酬

の3つから成り立っており、それぞれの標準的な料率は

・購入手数料(購入額に対し概ね3%〜5%)
・管理費用(保有額に対し、年間で2%程度)
・成功報酬(時価の増加額に対し20%程度)

となっております。

購入手数料や管理費用の高さもさることながら、特に
ヘッジファンド特有の成功報酬には注意が必要です。

確かに私たちの資産運用にとって、コストは重要な
チェック項目ではあります、が費用に見合った役割を
その金融商品が担ってくれるならば、私たちはそのコストを
受け入れる必要があるのではないでしょうか。

つまり私は高いコストを支払ってでも、マネージド・フューチャーズ
を保有する理由は十分にあると考えているわけです。

では資産運用のコストをトータルで下げよう考えた場合、
私たちにどのような選択肢があるのでしょうか。

上記のように『非サイクル資産』が高コストであることは
避けられないわけですから、必然的にその相方である
『サイクル性資産』のコストを、いかにして下げるかが
勝負になるわけです。

私たちがETFを組み入れる最大の理由はここにあると
いってよいでしょう。

例えば我が国で市販の株式投信を購入する場合、
購入手数料、信託報酬、解約手数料など多くのコストを
負担しなければなりません。

一方でETF経由で同様の金融資産を保有する場合は
どうでしょうか。

皆さんご存知にように、そのコストは極めて低く、
例えば購入手数料は無視できるほど低いですし、解約手数料
に至っては、概念そのものがETFにはありません。

ETFの保有コストの大半は信託報酬ですが、これとても
年率で0.2%〜1.0%程度と、例えば市販のアクティブ型株式投信
の年率2.5%〜3.5%程度と比べ、著しく低く抑えられています。

もちろん先ほどのマネージド・フューチャーズのように、
たとえ高コストでも、その金融商品がコストにみ合う仕事を
してくれれば問題ないのですが・・・現在市販されている投信を
みる限り、私はどう考えてもそれらがコストにみ合う仕事を
しているとは思えません。

つまり『サイクル性資産』はETFで十分というわけです。

一昔前は銘柄数にやや難があった時代がありましたが、
現在では株式型ETFに限らず、商品や不動産などを対象にしたETFも、
世界を見渡せば必要十分な数の銘柄が上場していますので、
私たちが銘柄の選択に困るようなこともありません。

私はリスク・リターンのバランスから、海外の債券を
ポートフォリオに組み入れることは(めったに)致しませんが、
もちろん債券系のETFも必要かつ十分な選択肢が用意されています。


『非サイクル資産』の保有コストが高いのはどうしようも
ありません。『サイクル性資産』は極力ETFを使うことにより、
私たちは戦略的に資産運用のトータル・コストを下げることが
できるわけです。




では、今回はこのへんで。

(2011年4月19日)




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