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成熟のその先は

みなさんこんにちは。

先週のこのメルマガで僕は、
以下のようなお話しを致しました。

世界の先進国の国民は既に成熟化しており、
消費に対して以前ほど貪欲ではない・・・

その結果先進国経済は需要が不足し、
これが構造的デフレ環境を作っている。

先進国がどこもデフレ傾向にある理由の
一つとして、おそらく上記は当たっていると
思います。

少し怖くなってしまいますが、
今回はその先について少し想像してみたいと思います。

といっても十年やそこいら先のお話しではありません、
例えば30年・・・いや50年先、100年先のお話しかも
しれません。

おそらく先進国の財政や金融当局・・・すなわち
政府や中央銀行は、低成長・デフレ状態を甘んじて
受け入れることはないでしょう、議会制民主主義とは
そのようなものだと僕は思います。

つまり構造問題には手を突っ込まず、ひたすら
対症療法を打ち続ける・・言い換えれば財政出動と
流動性供給(QE)の断続的実施です。

財政出動はすなわち公的部門による人為的な
需要の創出、これに対してQEは人為的な
インフレ環境の創出。

政府は財政赤字を膨らませつつ、
中銀はせっせと市中のマネーを増やしつつ、
この低成長・デフレ環境に適応しようとするはずです。

そしておそらく何度も訪れるバブルの生成と崩壊のあと、
先進国の住人が悟るときが来るのではないでしょうか。

もう私たちは十分豊かになった、
これ以上の成長を求めるべきではない・・と。

つまり成長の代償の大きさに、
立ちすくんでしまうときがくると思うのです。

ではその先に一体何が待っているのでしょうか・・
そしてそのあと世界の経済は一体何を目指すのでしょうか。

一つの可能性は、人間が新しいフロンティアを創出し、
その新しい領域で、再び好奇心や所有欲を爆発させるという
予想です。

思えばほんの30年前、私たちはインターネットを
知りませんでした、例えばこのインターネットという、
私たちが痛みを感じることのない世界で、予想だに
しない新しい領域が生まれるかもしれません。

あるいはインターネットに代わる、新しい
サイバー空間を私たちはまた生み出すかもしれません。

このようにして生まれたフロンティアが大きければ
大きいほど、私たちが手にする経済成長もまた
大きなものになるでしょう。

もう一つの可能性は、そのようなフロンティアは
既にあらかた発掘され尽くしていて、私たちは
今の延長線上で生きざるを得ないという考えです。

この場合私たちは数百年にも及ぶ低成長・ゼロインフレの
世界を生きることになるのかもしれません、あたかも
中世の世界のように。

このうちどちらの道を私たちが歩いてゆくかという点に
ついて考えた場合、僕は圧倒的に前者ではないかと
思います。

人間の欲望は巨大で、どこかで立ち止まって成長を
とめてしまうとは思えません。

一人一人が持つ豊かになりたいという欲望の集合体は、
必ず新しいフロンティを見つけ出すことでしょう。

もし私たちの成長が止まることがあるとすれば、
それは私たちが精神的な進化をとげ、みずからの意志で
豊かさの追求を放棄するときではないでしょうか。

ただしどう贔屓目に見ても、私たちがここ数世代の
うちにその境地に到達できるとは思えません。

しばらくバブルの生成と崩壊を繰り返し、
そしてその都度対症療法でしのぎつつ、その苦しみの中で
新しいフロンティアを、私たちはみつけてゆくことに
なるのではないでしょうか。

 

では今回はこのへんで。

(2014年5月20日)




 




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