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米国株はバブルか

みなさんこんにちは。

ここのところ米国株は史上最高値圏で推移中、
S&P500指数も、史上初の2000ポイントのせです。

バブルは崩壊して初めて気づくもの・・・

史上最高値、初の2000ポイント乗せなど景気の良い
言葉を耳にしますと、逆に「米国株はバブルじゃないか」
とご心配の方も多いのではないでしょうか。

今回はここいらを少し考えてみたいと思います。

株価の妥当性を計る指標はいくつかありますが、
PERは有効な指標ではないかと思います。

PERは株価を一株当たりの利益で割った値です、
簡単にいえば

「向こう何年間の利益を株価が織り込んでいるか」

を示す値といってよいでしょう、
例えばPERが10倍なら、むこう10年間の利益を
株価は先取りしているわけです。

ではこのPER。いったい何倍程度が妥当なのでしょうか。

5倍といえば5倍、20倍といえば20倍、数字などそもそも
相対的なものですから、妥当な水準など後付(あとづけ)
の理屈にすぎないような気も致します。

それでも人間は株式相場というものを長らく運営して
きましたので、それなりの経験値というものも
あるわけです。

経験に基づく妥当なPERの水準として、
先進国株で16倍前後、新興国株の場合それより
やや高く、おそらく20倍前後は許容されるのでは
ないでしょうか。

ではそのような観点での米国株です。

現在の米国株のPERは、NYダウ構成銘柄の平均で
約16倍です。

この数字は、先ほどの先進国株の妥当PER16倍と
ほぼ一致しておりますので、この点だけをみれば
『米国株は史上最高値圏にあるが、決してバブルではない』
ということになるわけです。

ただし物事にはいろんな側面があります、
例えばPERの前提になる企業業績のほうがバブル化して
いるという可能性です。

株価は

PER×「一株当たりの利益」

という式で表現できますが、仮にPERのほうがバブル化
していなくても、「一株当たりの利益」がバブル化
していたとすればどうでしょうか。

この場合もやはり株価はバブル化することになるわけです。

では今の米国企業の「一株当たりの利益」、
言い換えれば、今の米国企業の業績はバブル化して
いるのでしょうか。

FRBが2008年以降続けたゼロ金利とQEによって、
確かに米国経済は活性化し、企業業績も回復傾向に
ありますが、例えば米国の金融機関がリーマン・ショック前の
ようにボロ儲けしているわけではありません、金融機関に
対する法的規制の影響もあるでしょう。

アップルやグーグル、アマゾンなどIT企業は
確かに驚くような高収益を上げていますが、彼らは自ら
創造した商品やサービスに基づいて、正当な儲けを享受
しているようにみえます。

ご参考までに、米企業の四半期ベースの一株当たり利益の
推移をみますと、リーマン・ショック直前の四半期が約20ドル、
これに対し直近の四半期が約25ドルです。

確かに25%ほど増えてはいますが、
この間に流れた6年という年月を考えますと、
米国の企業業績は、実に緩やかなペースで拡大して
きたといってよいのではないでしょうか。

以上のような観点で、私は米国企業の業績に
バブル感はないと考えています、少なくとも今の
ところは・・・

つまり

株価=PER×「一株当たりの利益」

という式において、PER側にも、そのお隣の
「一株当たりの利益」にもバブル的な要素は見当たらず、
結果的に米国株はバブル的な状況にはなく、正常な
範囲の中で推移しているといってよいのでは
ないかと思います。

米国企業は今後も順調な業績拡大が予想されており、
7-9四半期で約11%、10-12四半期で約12%の増益と
見られています、もしこの予想が正しければ、米国株も
また上昇傾向が続くとみておくべきではないでしょうか。

 

では今回はこのへんで。

(2014年8月27日)




 




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