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相続税の減らし方

みなさんこんにちは。

来年1月からの相続税増税の影響でしょうか、
ここのところ随分と相続税対策の相談を受けるように
なりました。

そもそも相続税は、一部の富裕層に資産が偏ることを防ぎ、
貧富の差が極端に大きくなることを抑制したり、
税収を増やして財政赤字の拡大を抑制するためにあります。

また経済的にみても、一部の富裕層に富を集中させるより、
その富を広く国民に分散させたほうが、消費の拡大という点で、
経済が活性化すると考えられます。

ですから国という単位で見た場合、相続税の引き上げは
理にかなっている部分もあるのではないでしょうか。

ただしお一人お一人の立場にたって考えると話は別で、
やはり国に収める相続税を、少しでも小さくしたいという
考えは、人として自然な考えだとも思います。

そこで節税策というわけです。

相続人の数、資産の内容と規模、ご年齢、
今後のライフプラン・・・

人それぞれのご事情があるように、節税策もまた
決して一様ではありません。

まず相続人の数が多ければ、生命保険は有効な
節税策だといってよいでしょう。

例えば60歳の男性Aさんが、ご自身を被保険者として
一時払いの終身保険を契約し、保険料として2000万円を
支払ったといたしましょう、仮にAさんに相続人が4名いた場合、
Aさん死亡時にご遺族が受け取る保険金は、2000万円まで
非課税になります。

注)法定相続人一人当たり500万円の非課税枠があり、この
ケースでは500万円×4=2000万円が非課税の適用となります。

現金で相続すれば全額が相続税の算入対象になりますが、
このように一時払い終身保険に加入することにより、
2000万円を相続税の計算対象から除外することが
できるわけです。

この場合は純粋な節税手段として生命保険に入るわけで、
この生命保険そのものには、運用効果はないとお考えください、
また上記はほんの一例で、生命保険を活用した節税には、
他にもいろいろな形があります。

一方で相続人の数が少ない場合、節税効果は必ずしも大きい
とは言えません、この場合は不動産の活用が中心になります。

不動産の相続税計算上の評価は

・土地部分
・建物部分

で構成されます、土地部分については公示地価に
対して80%で評価され、さらに賃貸用不動産に関しては、
そこから20%評価減されます。

従って相続する不動産の評価を下げるためには、極力土地
の持分を小さくし、なおかつ賃貸物件を保有すればよいという
ことになるわけで、簡単にいえば容積率が高い都心の賃貸
マンションということになります。

建物部分に関しては、固定資産税評価額で計算されますが、
一般にこれは時価の50%〜60%とお考えください。

これは一つの例ですが、私のお客様で最近都心の
ワンルームマンションを相続されたケースがあったのですが、
相続税評価額を計算したところ、実際の物件価格の20%程度
になりました。

現金で相続を受けた場合、もちろん100%が相続税の対象
ですが、賃貸不動産の場合、このようにモノによっては
80%程度評価を圧縮できる場合もあるわけです。

以上生保と不動産の活用についてご説明しましたが、
これらと生前贈与を組み合わせると、さらに効果は
高まります。

例えばお父さんがお子さんに贈与したお金で、

・お子さんが契約者、お父さんが被保険者、お子さんが受取人

このような死亡保険にお子さんが加入するという定番の
方法もあります、なおこの場合お子さんが支払う保険料は、
お父さんから贈与を受けたお金で支払いますが、当該贈与が
年間110万円を越えない場合、贈与税は発生しません。

一方でお父さん死亡時にお子さんが受け取る保険金は、
相続税の対象ではなく、一時所得の対象となります。

一時所得は50万円の非課税枠がありますし、評価が1/2に
減額されますので、相当大きな節税効果が期待できるでしょう。

さらに前述のように、お父さんから受贈した保険料の原資は、
贈与税が非課税となります、つまり2重の意味で節税効果が
あるわけです。

注)課税対象額=(受け取った保険金-払い込んだ保険料-50万円)
×1/2

またこの生前贈与と不動産を組み合わせる方法も有効です。

大きな不動産はダメですが、2000万円程度のワンルームの
場合、お父様から一つずつお子様に生前贈与されると
よろしいでしょう。

仮に2000万円の物件の評価が400万円程度に圧縮できれば、
上記のように贈与税には年間110万円の非課税枠がありますから、
税額は50万円(注)ですむ計算です。

現金で2000万円を受贈した場合、600万円以上(同)
の贈与税がかかりますので、この効果は結構大きいです。

注)平成27年1月改定後

さらにこの場合、お子様に譲られたあと、不動産から
得られる賃貸料は、お子様の資産となりますので、
その点でも相続税の節税効果があるわけです。

このように生命保険、賃貸不動産をうまく活用すれば、
相続税を減らすことができますし、生前贈与を
組み合わせれば、さらに節税の効果は高まります。

ただし、このようなプランの構築は一朝一夕という
わけにはゆきません、ご自身のライフプラン、資産運用プラン
を考えあわせ、計画的な実行をお心がけ下さい。

 

では今回はこのへんで。

(2014年9月2日)




 




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