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人間は経済的に成長しなくてはならないのか

みなさんこんにちは。

今から2000年ほど前の日本人は、
いったいどのような暮らしをしていたのでしょうか。

朝は日の出とともに起き、お天気が良ければ田んぼや
畑で農作業をし、日が沈むと竪穴式の住居に帰って
家族と晩御飯を食べる。

海の近くに住む人たちは、小さな丸木舟で海に出て、
陸からさほど遠くない沿岸で魚や貝などを捕ってくる。

そして時には山に入って木の実を集め、村に住む
元気な若者たちは、弓を携えて狩りをすることもある。

彼らが口に入れるものは、その大半を自分たち自身が
捕ったり採ったりしたもので、たまにほかの村の住人と
交換することがあっても、お金でモノを買うことはない。

きっとそんな生活だったのではないでしょうか。

どれほどがんばって働いたところで、お日様が沈んでしまえば
それでお終い、今風の基準でいう彼らの労働時間は、
冬場では一日6時間がせいぜい、夏場でも10時間を超えることは
なかったはずです。

しかも仕事の内容はといえば、コメや野菜を育てたり、
海に入って魚を捕まえたり、森で木のみを採ったりすることで、
よほど私たちが毎日やっている仕事より、楽しそうな
気がします。

時間的にも余裕があったでしょうから、家族との団らんの
時間も長かったのではないでしょうか。

日本人の体格はこの2000年の間に大きくなり、
平均寿命もずいぶん延びました、飢餓もありません。

その理由の大半は、私たちが経済的に成長し、
豊かな社会を築けたからであることは間違いないでしょう。

では私たちはこの2000年で、より幸せになった
といえるのでしょうか。

おいしいものを食べ、
栄養状態がよくなり体格が大きくなったことは、
きっとよいことなのでしょう。

多くの病気を克服し平均寿命が伸びたことも、
きっと幸せの一形態であることに違いはないと思います。

それでも人間の幸福は、それだけでは
ないはずです。

この2000年・・厳密にいえばその2000年のあいだでも、
特に明治維新後の150年ほどのあいだに私たちの労働時間は伸び、
さらに通勤という不思議な作業が発生し、
多くの人間が農村や、海や森から切り離され、
サラリーマンとして好きでもない仕事を強いられ、
そして家族と過ごす時間を削られる・・・

私たちは僅か数代前の祖先が考えもしないようなストレスに、
日々さらされているといってよいでしょう。

それらを足したり引いたりすると、
果たしてご先祖さまと私たちの、いったいどっちが幸せ
なのでしょうか。

少なくとも、今の方が圧倒的に幸せだということだけは
なさそうです。

ここのところ経済の拡大装置としての資本主義が、
限界にきているという話をよく聞きますが、それは
私たちが生身の人間として、急速に進む経済成長に対して、
拒否反応を示しているのかもしれません。

 

では今回はこのへんで。

(2016年10月26日)




 




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