ホーム > 連続読みもの(抜粋版) > 1−6.あなたは長期投資にむいているか
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■あなたは長期投資にむいているか

繰り返しになりますが長期投資は決して楽な投資手法ではありません、
いくら長期で持っていても、皆さんの「ハラハラ感」の元凶である価格変動リスクは決して小さくならず、一定のままです、
それどころか運用に成功し運用額が増えれば増えるほど価格変動の額そのものはむしろ拡大しますので、
かえってこのことによるストレスが増えてしまうという人もいるでしょう。
積立投資もこの問題に対する根本的な解決にならないのは、先ほどご説明した通りです。

なかにはこのストレスに耐え切れず、長期投資を途中で断念してしまう方もいるかもしれません、
特に相場が大きく下落したときには皆さんの信念が問われることになります、
もちろんいくら相場が下がっても、いずれ上昇すると前もってわかっていればそれほど気に病むことはないのですが、
例えば2007年後半〜2009年初頭のように、相場が長期間下げ続けるとどうでしょうか。
失業率の増加、企業決算の悪化、消費の収縮、GDPのマイナス成長、住宅価格の下落、企業の破綻・・・
どこを見渡しても世界経済の明るい話題など見つけようもなく、
テレビをつけるとコメンテーターは暗い表情で株価の下落を伝えるばかり・・・
さて皆さんはこのような状況で、将来の株価上昇を信じてじっと株を持ち続けることができるでしょうか。

よほど強い信念と精神力を持った人でなければ、
このような環境で長期投資を貫徹するのは難しいのではないでしょうか、
そしてプレッシャーに耐え切れず、持ち株を処分してしまったときが相場の底だった・・・
このような皮肉な結果にならないとも限りません。
私は長期投資には強い信念と精神力が要求されると思っているのですが、
このような能力は生まれながらにして備わったもので、
決して経験によって鍛えられるものではないように思います。
私は仕事柄多くの個人投資家と接してきましたが、いまだかつて投資経験を積むことによって、
この手の精神力を身に付けていったという人にお目にかかったことがありません、
もちろん中には非常に逆境に強く、一時的な相場の下落をほとんど気にされない方もいらっしゃるのですが、
そのような方はお会いした当初からそのような傾向が強く、
決して投資経験を通して徐々にそのような特質を身に付けていかれということではありません。
恐らくそのような方は普段の生活でも、物事に動じにくい強い精神をお持ちに違いありません。
一方でほんの僅かの相場の下落でも、激しく動揺される方もいらっしゃいます、
逆にこのような方は投資を通じて徐々に精神的にタフになるということはないように思います。

要するに皆さんにとって長期投資という手法が適切なのかどうか、
それはその方の生まれながらの性格によってすでに決定されていることであり、
いくら投資のキャリアを積もうが関係ないという気がするわけです。

にも関わらず、多くの方が安易な考えで長期投資を志し、なおかつ始め、そして挫折してしまうのはなぜでしょうか、
私はその理由は長期投資に代わる有効な投資手法が体系立てて提唱されてこなかったからだと思っています。
私は資産運用の一つの方法として、長期投資を否定するつもりは一切ありません、
そればかりかこれから明るい将来が待っている若い人たちに、長期投資の効用を大いに説いてゆきたいとも思います、
が同時に私は長期投資が悪い意味での「放ったらかし投資」という逃げ道になっているような気がしてなりません。
我が国の真面目で地道な普通の個人にとって、
資産運用の選択肢が一つしかないのは本当に不幸なことだと思います、
本来はいくつかの選択肢が用意されていて、皆さんそれぞれの適性に応じ、
それらの手法のなかから御自分に適した方法を選ぶというかたちが好ましいのではないでしょうか、
そういう意味で、私は次章以降において従来型の長期投資に代わる、
もう一つの考え方を皆さんにご提案したいと思います、
この考え方はまだ決して一般的なものではありませんが、
必ず皆さんの今後の資産運用に役立て頂ける部分があるはずです。


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