ホーム > 実物資産投資のお話 > ユニークな中国の自動車ダラー
中国減速とクラシック・コイン相場

今回のコインは中国の大型銀貨で、いわゆる“自動車ダラー”と呼ばれるコインです。まずはこの写真をご覧ください。

どうですか、なかなかユニークなデザインでしょ。時代は中華民国17年といいますから、西暦でいえば1928年です。我が国の年号でいえば昭和3年で87年前のコインということになります。当時のコインとしては異色のデザインといってよいでしょう、このコインが発行された1928年といえば、ちょうど中国が蒋介石によって一時的に統一された時期です。

このコインの遊び心あふれるデザインからうかがえるように、もしかしたら当時は比較的余裕のある時期だったのかもしれませんね。額面は7銭2分で当時の銀貨の最高額面、重量は約27グラム、大きさは4センチ近くある重量感のあるコインです。

さてこの銀貨、ユニークなデザインのせいか大変人気があります。同時代の他のコイン、例えば孫文や袁世凱を描いた銀貨の相場は、せいぜい日本円で2万円〜5万円程度ですが、このコインはVFクラスでも50万円前後はいたします。思い起こせば今から5年前、中国コインの絶頂期がありましたが、さらにそこから遡ること数年、おぼろげな僕の記憶では、確かこの“自動車ダラー”は一枚10万円ほどで買えた時期がありました。いつもながらあの頃に戻って買いたい。

さて問題はここからです、本レポート冒頭でも申し上げましたが、中国株はここ一月で随分と下げました、おそらく株で大きくソンをした国民も多かったのではないでしょうか。

中国株急落の影響が、中国コインの相場にいったいどのような影響を及ぼすのか・・・コイン収集家だけではなく、経済に関心が深い方にとっても、おそらくこの問題は興味深いテーマではないかと思います。その意味で先日(7/25,26)開催された「CCFオークション」は、上海株急落以降初めて我が国で開催されたオークションとして、注目に値するイベントではなかったでしょうか。

結論から申し上げると、中国コインに関しては思いのほか人気を集め、特に上記“自動車ダラー”や孫文の“ジャンク試鋳貨”はじめ、高額コインは予想以上の高値落札となりました。ご参考までに以下代表的な落札価格です。

□「自動車ダラー」Lot No7077 /VF+
開始価格40万円
落札価格57万円

□「自動車ダラー」Lot No8243 /VF
開始価格12万円
落札価格64万円

□孫文「ジャンク試鋳貨」Lot No8215 /VF+
開始価格20万円
落札価格100万円

□孫文「ジャンク試鋳貨」Lot No8216/EF
開始価格15万円
落札価格58万円

「自動車ダラー」や「ジャンク試鋳貨」は、ここ3年ほどやや低迷気味で、価格も40万円前後にとどまる事例も見られたのですが、上記のように先日のCCFオークションでは、上海株下落にも関わらず、むしろ相場帯が再加速した観すらあります。上記両コインに限らず、今回のCCFでは、レアなコインの高額落札が目につきました。

一回のオークションだけではなく、今後開催されるオークション数回は注意してみておく必要がありますが、「株式相場とコイン相場の相関性は低い」と僕は思っています。なぜなら株式に流れるお金は短期の資金、これに対しコインに流れるお金は長期の資金といったように、投機的マネーとは異なった種類のお金がコイン市場に流れていると考えているからです。

さて最後に再び「自動車ダラー」のお話しです、このコインは残念ながらEF以上の状態の良いコインは稀です、実は僕自身も見たことがありません。VFクラスですと国内のオークションで、年4-5枚は出品されますが、それでもここ数年はメッキリ目にする機会が減りました、おそらくいったんこのコインを手にすると、多くの収集家は売りに出さないからではないでしょうか。中国のクラシック・コインのなかで異彩を放つこのデザインは、おそらくこれからも多くのコレクターの収集対象であり続けるでしょう。

 






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