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カラーストーンのお話し

皆さんはスピネルという宝石をご存知でしょうか?スピネルは赤い宝石で、一見ルビーと似ています。以下にレッドスピネルの写真と、ルビーの写真を掲載させていただきますので見比べてみてください。

3.05カラット、レッドスピネル、個人蔵

1.29カラット、ルビー、ピジョンブラッド色

いかがでしょう・・・写真で見る限り判別は難しいのではないでしょうか。でも目が慣れてくれば色の違いにお気づきになると思います。スピネルが真っ赤からややオレンジがかった赤に見えるのに対し、ルビーはやや紫がかっています。肉眼で見ればさらに区別は容易です。

いまでこそ科学的な分析によって、明確に両社は違った鉱物だとわかりますが、実は18世紀の終盤まで、スピネルとルビーは区別されていませんでした。僕は時々スピネルをお客さんにお見せしますが、スピネルだとお分かりになった方はもちろん、スピネルという言葉さえご存知の方は稀です。それほどスピネルは日本で知名度が低い宝石なのです。ただし海外に行けば状況は違います、以前ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドの4つの宝石を、世界の4大宝石としてご紹介しましたが、これらにスピネルを加え、5大宝石とする場合もあります。それほどスピネルは人気が高い石なのです、特にヨーロッパではスピネルは珍重され、例えば1800年代後半の書物をみれば「スピネルはキズが少ないため、ルビーより上質なものが手に入る」「1カラットのレッドスピネルは、ルビーの約半額の5〜7ポンドである」などの記述があります。ちなみに当時の1ポンドは現在の4万円ほどの価値があり、したがって当時のスピネルは1カラットあたり20万円から28万円だったことが分かります。

では現在の相場はどうなのでしょう。

例えばアメリカのNational Gemstone社のサイトをみると、ミャンマー産の最高級レッドスピネルの相場は、1カラット石で現在(2014年時点)6000j(小売りベースです)ほどになっていますが、さかのぼって数字を見ますと以下のようになっています。

・2000年 2000j程度
・2005年 2500j程度
・2010年 4500j程度

以前このレポートでミャンマー産のサファイアやルビー相場が急騰していると紹介させていただきましたが、実はほとんど同じピッチでスピネルも上昇しているのです。私の感覚では上記2014年時点から、さらに20%以上は値上がりしている印象です。

ただしスピネルなら何でも価格が上がるというわけではありません、スピネルもサファイアやルビーと同じく希少性が高いものと、そうでないものがあり、最高品質のスピネルはやはりミャンマーのモゴック産です。スリランカやタンザニアなどでも産出しますが、色が薄かったり透明度が低かったりで、一般的に投資の対象には向きません。

ミャンマーで長らく続いた軍事政権下において、モゴックなどルビーやサファイア、スピネルの鉱山に外国人が入ることは政府によって禁止されてきました。先日日本のテレビ局がモゴックの鉱山の撮影を世界で初めて許可され、すでにある番組で放映されましたが、このような経済の開放姿勢は民主政権誕生を見越したものではないかと思います、今のところ外国人のバイヤーは限定的ですが、おそらく今後さらに経済の開放が進み、外国人のバイヤーはもっと増えるのではないかと思います。現地のミャンマー人バイヤーからの情報では、すでに首都ヤンゴンでは海外のバイヤーが増え、良質な石を安値で買うことは難しくなっているとのこと、最近では山岳地帯に位置するモゴックですら購入は難しくなっているようです。以前からすでに入手が困難だったルビーは、今後さらに現地価格の値上がりが予想されますし、ルビーに比べモノが潤沢にあったサファイアも、今後入手が難しくなるのではないでしょうか。幸いスピネルはルビー、サファイアに比べ目にする機会が多いのですが、外国人バイヤーの進出によって、特に状態の良いスピネルは入手が難しくなるでしょう。

ただしミャンマー産のスピネルでも、選別して投資する必要があります。いくら色が良くても輝きが鈍いものは投資にはむきません。例えば3カラットの大粒レッドスピネルでも、テリ(輝き具合)のよくない石はであれば現地価格ベースで80万円ほどが相場です。が、もしテリの素晴らしい石がみつかれば、現地バイヤーの買いはベースで250万円を下りません。レッドスピネルに加え、ホットピンクスピネルと呼ばれる、強烈なピンク色をしたスピネルも最近大変な人気をよんでいます。数年前なら3カラット石が数十万円で買えたものですが、今なら現地でも200万円以上はいたします。ミャンマーのレッドスピネルに加え、ホットピンクスピネルも今後面白いでしょう。

 

 

 

 

 






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