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思いつくことなど
2008年11月に破綻したニューシティ・レジデンス投資法人。

我が国で初めて破綻したREITです。

このREITの最終売買日は2008年11月7日で、終値は14,200円
でした。

これは同REITが民事再生法の適用を申請した、10月9日の終値
71,000円から8割下げた水準です。

上場が廃止されるREITの株(投資口)を保有し続けるのは、
勇気のいる行為です。

仮にニューシティに買い手がつかなかった場合、
ニューシティが保有していた不動産を市場で売却し、
同時に同REITが保有していた債務を控除し、その時点で
残存価値があれば株主に配分して清算完了となります。

もし市場で不動産の買い手がつかず、予想より大きく
ディスカウントされた価格での処分となれば、
最悪債務と相殺してゼロという可能性もあるわけです。

ところが上記ニューシティの株を、上場廃止直前の
10月中旬、さかんに仕込んだ人がいました。

香港の投資家トビアス・ジョセフ・ブラウン氏です、
購入平均単価は10,000円未満とみられ、発行済み株数の8%強
を購入しました。

さてさてそれから約半年後、ブラウンさんの賭けは
どうなったでしょうか・・・

破綻したニューシティの入札は9社により行われ、
先週4月7日にそのうちの一社ローンスターと契約、同社は既存の
株主からニューシティ株を一口35,000円で買い取ると
発表しました。

おそらくこのニュースに一番喜んだのは、ブラウンさん
ではなかったでしょうか。

かくしてブラウンさんは、めでたく一口当たり25,000円の
利益を手にすることになったというわけです。

日本人ではなく、外国人においしいところを持っていかれて
悔しい気もしますが、一方で「よくやったね」と拍手を
送りたい気もします・・・

(2009年4月14日)



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