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2006年型のポートフォリオを考える
皆さん明けましておめでとうございます、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
この季節になると、私は毎年アセット・アロケーションの重要性について考えてしまいます。

昨年一年は何といっても日本株の年でしたね、日本株をお持ちの方とそうでない方とでは、資産残高に随分と開きが出てしまったのではないでしょうか。
もちろん、日本株を持つと言っても

現物株の場合、どの銘柄を選ぶか。
投信の場合、どの投信を選ぶか。

によって多少(多少でもないか?)は運用成績に差はでたとは思いますが、何といっても「そもそも日本株に投資するか」という根本的なデシジョンの部分で既に勝負がついていたとも言えるわけです。

もちろん、資産運用はギャンブルではありませんから、「今年は日本株が上がりそうだから、全額日本株で運用しよう」的な極端かつ安易なアロケーション作りには大きな危険が伴ないます。
だからと言って、一旦決めたアロケーションを後生大事に守り続けるというのもどうかと思います。
大切なのは

・バランスをとって、資産全体のリスクを下げながら
・機動的にアロケーションを組み換え、時代の流れにあった資産構成をつくり、高いリターンをキープする

要するにこの2点に集約されるように思います。

特に私は後者が重要だと思っています。
例えば「時代の流れにあわせて」の部分を重視するあまり、頻繁にアロケーションを組み替えれば、長期投資という観点で矛盾が生じる場合があります。
といって、ある程度はその時々のテーマに乗った商品にシフトしてゆかなければ、高いリターンは望めません。

やはり原則としてはマイナーな変更が一年に一回程度、大幅な変更が5年に一回程度という目安でよろしいのではないでしょうか。
では、本題の今年のアロケーションについて考えてみたいと思います。その前に、私なりの今年の相場環境の予想です。

●1.日本経済は企業の業績、設備投資、個人消費どれをとっても大きな懸念材料はなく、拡大基調が続く。これを受け日本株は上昇基調を維持するが、パラダイム転換が上昇の原動力になった2005年ほどの力はない。

●2.原油相場をはじめ、コモデティはあいかわらず中国・インドなど新興国の需要拡大に対し供給は追いつかず、引き続き強含む。

●3.米国は年初に利上げを打ち切り、景気はスローダウンするがハードランディングは無い、利上げ打ち止めを受け米国株は一時的に急上昇するが、景気の下降にあわせその後は徐々に下げ基調。

●4.新興国はあいかわらず成長力を維持し、株、債券ともに買われる。特にアジア地域、東ヨーロッパ、ラテンアメリカの株はオイルマネーの流入もあり、上昇顕著。

●5.日銀の利上げは年内無いが、利上げを見越した円買いが入り為替は円高、ドル安基調。ただし1ドル=100円超えは無い。

このような予想に基づき、以下のようなアロケーションを考えてみました。

主力は日本株で30%、次に日本株と逆相関性のある米国債を15%、
押さえは新興国株で15%、新興国債券に10%。

代替商品として、コモデティ・インデックスファンドを15%
オフショアのヘッジファンドを15%で少しスパイスを効かせます。

こんな感じでいかがでしょうか。

株(45%)、債券(25%)、その他資産(30%)

という構成です(もちろん、手元の流動性を別途確保したうえでの配分です)。

このポートフォリオですと仮にそれぞれの資産の年間リターンが

・日本株(20%)
・米国債(6%)
・新興国株(30%)
・新興国債券(12%)
・コモデティ(15%)
・ヘッジファンド(18%)

とすれば、資産全体のリターンは+17.55%と計算できます。

ついでにリスクも計算しておきたいところではありますが・・・
すみません、手元にデータがないのでお許しください。
(ただ、相関性の低い商品を意識して組み合わせておりますのでフィーリングとしては5%〜7%程度に抑えられていると思います)。

以上年の初めの大胆予想に基づく、2006年バージョンのポートフォリオの一例でした。
もちろんいつも申し上げていますように、資産運用のペースは十人十色、現在の資産の残高、将来の生活設計、各年度のキャッシュフローによって違って当たり前です。

上記のアロケーションは、あくまで一つのサンプルとしてご紹介したに過ぎません。
ただ、アセット・アロケーションを作ることには大いに意味がありますので、私は皆さんお一人お一人にご自分自身のアロケーションをお作り頂くことをお勧めしたいと思います。
今年一年、皆さんが大いに資産を増やされることをお祈りしております。

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