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大相撲のウィンブルドン化と日本経済
皆さんこんにちは。

エストニア対モンゴル、ブルガリア対グルジア、ロシア対韓国・・・・

相撲の世界もずいぶんと国際化してきたものです、私が相撲に
興味を持ち始めたころは、外国人力士といえばせいぜい高見山(なつかし)
くらいのものでした・・・ちなみに30年以上も前のお話。

これも一種のウィンブルドン化現象なのでしょう。

ウィンブルドン化現象の卸もと、イギリスの金融界でも同様の
現象は起きています、ロンドンの金融街シティのプレーヤー(金融機関)
はすでにその大半を外国資本で占められており、イギリス起源の
プレーヤーは今ではごく少数派だそうです。

だからといって、イギリス経済の国際的な地位が低下したかと
いえばそうでもありません、イギリスは既にかつての英国病を
克服し、すっかり健康体を取り戻しています。

例えば、通貨ポンドの地位は高まり、すでに円を抜き去り米ドル、ユーロ
に続きNo3の地位を確保しました(外貨準備高ベースのお話です)。

ロンドンの世界的地位もどんどん高まり、今ではシティは
ロシアや中東のオイルマネーの重要な退避先となり、世界の
主要な金融機関は、一段とロンドン集中化を進めているという状況です。

例えプレーヤーが外国企業ばかりになったとしても、彼らはイギリス人
を雇用し、イギリスに税金を支払い、その結果イギリスはますます
豊かになってゆくことができます。

よくウィンブルドン化現象を否定的にとらえる人がいますが、
私は決してそうは思いません。
確かに、国としてのアイデンティティや誇りが失われてしまうという
指摘もありますが、正常な経済発展が無いところに文化は生まれない
ようにも思います。

逆に富の集積があれば自ずと文化は生まれ、海外に文化を伝え、海外の人を
引き付け、国としてのアイデンティテイを維持することができる、このようにも
言えるのではないでしょうか。

むしろ規制を緩和し、外国人プレーヤーがどんどん参加できるような
環境を、積極的に整えてやる必要があるのではないかと思います。

相撲の世界は、極めて閉鎖性の強い世界だと言われてきましたし、
現にそれは事実だったようです、そのような世界においも、既に
私たち日本人はウィンブルドン化現象を、自然に受け入れることができた・・・

この事実に、私たちはもっと目を向けてもよいのではないでしょうか。

これからは経済の世界でも、ある意味世界的なウィンブルドン化『競争』
(言い換えれば外国人プレーヤーの誘致競争)が始まるのかもしれません。

相撲界で起こったここ数年の変化は、私たち日本人にとって大いに参考
にできる出来事だったのではないでしょうか。



では 今回はこのへんで。

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