ホーム > T's資産運用コラム > 相場はどこで均衡するのか
相場はどこで均衡するのか
皆さん、こんにちは。

こういう仕事をしていますと、モノの価格というのは一体何に
基づいて決まるのか・・・こういった基本的なことについて深く
突き詰めて考えてしまうことがあります。

例えば、今高騰を続けるトウモロコシや大豆などの穀物、一体どこ
で価格は均衡するのでしょうか。

買手はヤマほどいます、例えばトウモロコシを加工して販売する
食品加工会社、あるいは穀物を直接飼料として使う畜産や漁業関連者・・・

彼らに買い取られた穀物は、直接的もしくは間接的に人の口に入り、
人間が活動するためのエネルギーに変換されることになります。

人間は豊かになると、生存のためのエネルギー効率は下がり(言い換え
ますと肉食や魚食になるという事)ますので、今後世界の新興国
が豊かになりますと、人口増との相乗効果で、必要な穀物の総重量は
益々増えてゆくことになります。

あるいは今注目を集めているように、食物以外の用途としての穀物利用
も増えてゆくでしょうから、そういう意味でも穀物に対する需要は高まって
ゆくことでしょう。

これらの(いわば)実需の増加を先読みし、投資目的(もしくは投機目的)
のお金もこれからしばらくは流れ続けるでしょう。長期のお金の代表は
年金基金、短期のお金の代表はヘッジファンドです。

このような状況の中、トウモロコシの価格は高騰を続け、すでに
10年ぶりの4ドル台(ブッシェル当たり)をつけました(過去の最高値は、
中国が突然輸出国から輸入国に転じた、1996年の5ドル台というのが
ありますが)。

さてここからが冒頭の「モノの価格は何に基づいて決まるのか」という
お話しです。

仮に投機(あるいは投資)マネーがこのまま流入を続け、例えば10ドル
をつけるような事態になると何が起こるでしょうか、トウモロコシは
大豆と同じ畑で作られますので、大豆が高騰するでしょう、それは小麦
やコメといった他の穀物に影響し、価格の高騰は穀物全体に波及
することでしょう、その結果、穀物を飼料として使う食肉、酪農製品、魚類
など幅広い一次産品の価格上昇が予想されます。

さらに、穀物はいろいろな食品に加工されて消費されていますので、私達が
日常口にする加工食品類や飲料類の価格も上昇するに違いありません。

ではこのように私達人間が、食料を得るために使うお金の量が増えてゆきますと、
一体どういうことが起きてくるのでしょうか・・・

世界の人口増加のスピードは落ち、新興国では肉が食べられず、先進国でも
食料品価格は上昇しインフレを誘発、結果的に世界がより豊かに
なることを妨げてしまうのでしょうか・・・(これは言い換えれば需要が
減って価格が均衡するということです)。

それとも技術革新が農業の分野に及び、穀物の生産性が飛躍的に高まり、
あるいはエタノールに代わるクリーンなエネルギーが開発され、やがて穀物の
価格は下落に転じ、どこかで均衡するのか・・・(これは言い換えれば供給が
増えて価格が均衡するということ、明るい未来説です)。

このような事を考えても、短期や中期の投資には何の役にも立たない
のですが、最近の相場を見ていますと、どうしてもこのような事
を考えてしまいます・・・私としては明るい未来を信じたいですが。


では 今回はこのへんで。





このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。

「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。

【購読登録】 メールアドレスご入力ください :
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。

totop