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4年ぶりのビッグイベント
注)この記事は2007年9月19日に書きました。

皆さん、こんにちは。

米国時間の昨日14:15、FRBがFFレート(政策金利)の誘導目標を
0.5%下げ4.75%としました。前回FRBが利下げしたのは2003年6月
のことでしたので、実に4年3ヶ月ぶりの利下げということになります。

大方の予想は0.25%の下げでしたので、市場は驚きと歓迎を
もって反応しました。

以下は昨日の米国市場の動きです。

□ニューヨーク・ダウ平均株価 13,729ドル(+335.98ドル)
□円/ドル相場 116円前半
□10年債利回り 4.474%(+0.08%)
□WTI原油先物 81.54ドル(市場最高値更新)
□金先物 723.4ドル/オンス(ほぼ変わらず)

これをうけ、我が国の株式相場も(前場終値段階で)+531.49円
と+3.36%となっています。

一部では利下げが金融機関の救済に繋がるとの懸念や、安易な利下げは
インフレを招くとの不安もあり、利下げに否定的な見方もあり
ましたが、FRBとしてはそれをおしても利下げせざるを得ない理由が
あったということになります。

過去の振り返ってみますと、米国ではおよそ10年周期で今回のような
信用不安が起こっています。

1987年10月 ブラックマンデー 1998年 9月 LTCM破綻

そして2007年のサブプライム問題・・・いずれもFRBは利下げで対応
しており、その都度目先の危機の回避に成功してきました。

よくFRBは新たなバブルを作り出すことにより、目の前のバブルの
ショックを克服してきたといわれますが、そういう意味では、
バーナンキさんはFRBの過去の伝統をしっかりと受け継いだといえる
のかもしれませんね。

このように今回の利下げは、モラルハザードの問題やインフレリスクを
意識しつつ行われたわけですが、果たしてこれからの世界の経済に
どのような影響を与えるのでしょうか、私なりに思うところを少し
書かせていただきます。

・株価について

まず過去2度のショック時直後の利下げ局面を振り返りますと、
いずれも日米とも、株価は半年程度でショック前の水準を回復しています。

今後、新たなサブプライム関連の問題は恐らくまた顕在化すること
でしょう、ただし株価対策としての利下げの有効性は(過去のショック時
と同じく)今回も証明されました。

利下げ後の米国の政策金利は4.75%です、米国の中立的な政策金利は
4.0%程度とよく言われますが、そういう意味ではまだまだ下げ余地は
残っています・・0.75%、回数にして2回~3回の利下げ余力はある
わけで、今後新たなサブプライム関連の問題が顕在化したとしても、
利下げカードは少なくともあと2枚は残っています、世界の株価は
徐々にショック時まえの水準に回帰してゆくのではないでしょうか。

・為替について

利下げに伴い、米ドルは主要国の通貨に対し売られましたが、一方で
円に対しては逆に買われました、これは金利の裁定でドルが売られる
という作用と、円キャリートレードの復活が同時に起こったから
でしょう、短期の為替の動きについて、私はコメントしないこと
にしていますが、この流れはしばらく続くかもしれませんね、日銀も
利上げは当分難しいでしょうから・・・

・コモディティ相場について

金、原油、穀物などは、既に株価の調整を横目で見ながら過去最高値
水準まで上昇していました、円キャリーの動きや米国の利下げの
動きをうけ、世界のマネーはまたコモディティに収益のチャンスを
見つけようとするのではないでしょうか。

・債券についいて

利下げにより米国の短期債の利回りは下がりますが、長期債は景気変動
の影響を大きく受けます、米国の利下げを受け、来年は徐々に米国の景気
も拡大するのではないでしょうか、その結果、債券は徐々に売られ長期金利
は上昇と考えるのが素直な見方だと思います。

上記のように株とコモディティは買われ、債券、ドル、円は売られる
と思うのですが、もしかするとこれが長い目で見て大きなバブルの
始まりになるのかもしれません、投資には短期の目も大切ですが、
長期的な視点も大切です、特に米国ではインフレのリスクが高まる
でしょうから、そこから誘発される副作用についてはしっかりと
見ておいたほうがよいのではないかと思います。



では 今回はこのへんで。





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