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近未来系ヘッジファンドの選び方
今回はお遊びで、近未来のヘッジファンドの選び方について空想してみましょう。
みなさんご存知のように、ヘッジファンドの運用は高度な金融工学の世界で行われています。
投資対象の原資産は、債券や株、コモデティ、金利といった言わば生身の資産ですが、ヘッジファンドではそれらもともとの資産が持っている"生臭さ"を消し去り、数学・統計学といった数字の世界で運用が行われているわけです。

さて、この"生臭さ"、どこまで消すことができるのでしょうか?完全に無臭状態にできれば、コンピューターで目標数値を完全に計算し尽くすことが可能になります。
手っ取り早く言えば、目標収益率と標準偏差(これはリスクのことです)の数値化という意味です。
今でも、ヘッジファンドは募集の際、目標収益率を記載するケースが多いようですが、これに加えて予想リスクを標準偏差で数値化して表示することができれば、いったいどういうことが起きるのでしょうか。

次は、買う側の投資イノベーションのお話し。
これは私たちファイナンシャルプランナーの技術力の問題なのですが、私たちが持っているツールを使えば、皆さんにとって必要な”資産運用利回り”は今でも容易に計算することができます。
私自身は、さらにリスク許容度を数値で表す方法について、現在取り組んでいる最中です。では、仮にこの試みが成功し、一人ひとりの目標収益率と許容リスクの両方を同時に数値化することができれば、どういうことが起こると思われますか?
運用側は、ヘッジファンドをとおして、目標収益率と予想リスクを数値化し
購入側は、数値化された自分にとっての必要収益率と許容リスクを見ながらフィットするヘッジファンドを選ぶ。

こういうことが起こりえます。
この売買形態のなかには、個人の主観は入る余地はありません、ましてや、証券会社の営業マンの勧誘などわずらわしい手数から完全に開放されることになります。さらにいえば原資産が株であろうと、債券であろうと知ったことではありません。
おそらく、ネットワーク上に陳列されたヘッジファンドの中から、自分に最もあった目標収益率と予想リスクを持つファンドを機械的に選ぶことになるのではないでしょうか・・・

多少、味気ないような気もしますが、運用する側と委託する側が「収益率とリスク」という同じ言語を使って会話をするわけですね。
私は近い将来、このような世の中になればいいと思っています。これについては、自分なりにも多少お役に立てるところがあるように思います。

では、今回はこのへんで。

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