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この混沌の時代に

みなさんこんにちは。

いま日米欧で起きている財政赤字問題の本質は、
先進国経済の成長鈍化にあると私は考えています。

景気後退のたび繰り返される財政出動・・・
一方で一向に増えない経済のパイ。

例えば日本はこの20年間、経済の規模は増えていませんが、
繰り返し行われる財政出動や高齢化に伴う社会保障費の増加の結果、
公的部門の赤字残高は3倍に増えています。

成長力という点でもはやかつての日本の面影さえありません、
いまだに低成長を前提とした経済政策を見出すことができず
苦しむさま・・・これが現在の我が国の姿ではないかと
思いますし、また同様に欧米諸国の苦悩もここにある
のではないでしょうか。

1997年日本で起きた金融不安以来、公的部門と民間金融部門の
赤字問題は、その都度共鳴しつつ経済や社会に動揺を与え
続けてきました、1997年/2003年型日本ショック、
2008年型米国ショック、2010-2011年型欧州ショックと
いった具合に・・・

冒頭書かせて頂いたように、「ことの本質」が先進国経済の
成長鈍化にあるのなら、私たちは新しい低成長時代にあった
経済政策をみつけるまで、先進国発の金融不安を繰り返さざるを
得ないのではないでしょうか。

つまりこれから起きる景気後退は、なんらかの形の金融ショック
を伴うと考えておくべきではないかと思うわけです。

どこが発火点になるのか・・・これは特に私たち先進国の
住人の資産運用にとって重要な問題です。

累積赤字の比率や高齢化の速度という点で、日本の問題の
根が最も深く。

欧州は、共通通貨ユーロに関する問題を同時に抱えている
という点でより複合的で。

経済の健全性という点で、米国は3極で最も危機から遠いが、
一方で基軸通貨問題の帰結によってその先のシナリオは読みづらい。

つまりこれから先はカオスの世界で、私たちはなかなか予測が難しい
世界に、足を踏み入れつつあるといえるのではないでしょうか。

混沌の度合いが高まれば、そこから生じる帰結の振幅は
より拡大します。あたかもパチンコ玉の打ちだし角度と初速の
ほんの僅かな違いが、その玉の行方のすべてを決めてしまうように。

であれば下手な予想などやめ、距離の遠い金融商品に分散するという、
ごく大雑把な手法も、実は防衛手法として一定の合理性をもっている
のではないでしょうか。




では、今回はこのへんで。
(2011年8月23日)




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