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REITと現物不動産

みなさんこんにちは。

「REITがいいですか?それとも現物の不動産がいいですか?」
ときどきお客さんから、このような質問を頂きます。

REITと現物不動産・・・

似ているところもあり、
またまったく違うところもあります。

最終的な投資先が不動産だという点では同じなのですが、
REITの相場は激しく動き、現物不動産の値動きは、
REITほど激しくありません。

今回はこの点に焦点をあてて考えてみたいと思います。

なぜREITの値動きは激しいのでしょうか、
最終的な投資先が同じであるにもかかわらず、
なぜ現物不動産の値動きは大人しいのか・・・

考えられる理由のひとつは、REITはそもそもレバレッジが
効いているという点です。

これはどういうことかといいますと、REITは自分自身が
もっているお金に加え、他人から調達したお金をあわせて
不動産を購入しています。

J-REIT(日本のREIT)の場合、この外部から調達してきた
お金の割合は平均で総資産の50%ほどになり、従って組み入れた
不動産の値動きがそれだけ増幅されるわけです。

値動き要因の二つ目は、REITに流れ込むお金の質の
問題です。REITが売買される市場は証券取引所であり、
例えばお隣でパナソニックやトヨタといった株式が
売買されているわけです。しかも激しく。

もちろん一定期間腰を据えたお金も入って来ますが、
なかには数日間、場合によっては数分間といった、
落ち着きのないお金も出入りしています。

当然のことながらこのことは、REITの値動き激しく
する要因といってよいでしょう。

値動き要因の三つ目は、REITの価格を決めるお金の流れが、
二層構造になっているという点です。

このお話しは、二階建てのおうちに例えるとわかりやすい
かもしれません。

まず一階部分は原資産である不動産に出入りするお金の
流れであり、この流れによって不動産の価格そのものが
ゆっくりと変動してゆきます。

現物の不動産は保有期間が長く、日々相場が変動して
いるわけではありませんが、それでも例えば2年ほど経てば、
大きく変動することもあります。

これに対し建物の二階部分は、最終商品であるREIT
を目がけて出入りするお金の流れです。

こちらは前記のように比較的短期で出入りします。

このように二階建て構造をもったREITという金融商品の、
各階層ごと異なった性質を持ったマネーが出入りすことにより、
REITの価格はそれらが合算される形で、より大きく振動する
ことになるわけです。例えるならば地震の長期振動と短期振動が、
重なった場合のビルの揺れに似ているかもしれません。

以上のような理由によりREITは構造的に、
原資産である不動産の値動きをさらに増幅しつつ、
相場が形成されることになるといってよいでしょう。

現物の不動産を所有するか、REIT経由で不動産を所有するか、
その選択の基準として上記のような点を考慮頂けると
よいのではないでしょうか。

 

では、今回はこのへんで。

(2013年5月8日)

 





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