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プラチナとパラジウム-前編

みなさんこんにちは。

今回は久々にプラチナについて考えてみたいと思います。

まず需要という側面からみてみますと、プラチナの最大の用途は
自動車の触媒で、プラチナの用途の40%以上を占めています。

さらに自動車の触媒のなかでも、欧州で販売される
ディーゼル・エンジン車の比率が高く、これだけでプラチナ全体
の需要の20%以上を占めています。

従って欧州経済の動向は、プラチナ相場にとって
重要な要素の一つだといってよいでしょう。

さてその問題の欧州経済です。

ユーロ圏の経済は2年近くにわたってマイナス成長が続いてきた
のですが、先日発表された直近4-6月期の同エリアの経済成長率は、
ようやく7四半期ぶりにプラスに転じました。

この2年間というもの、ヨーロッパは債務不安に
よる逆風にさらされ続けてきたわけですが、ここにきて
やっと明るい見通しを立てることができるように
なってきたといえるでしょう。

このエリアの自動車販売をみると、欧州最大市場であるドイツを
はじめ、フランス、スペイン、ギリシャ、ポルトガルなど、のきなみ
前年同期比でプラスに転じました。

おそらく最近のプラチナ相場、特に金(Gold)に対する
相対的な価格上昇の背景には、上記のような欧州の好材料が
あるのではないかと思います。

プラチナ相場を予想するうえで、もう一つ重要な要素は供給です。

需要も偏っていれば、
供給も偏っている・・・

プラチナの特徴の一つは、この偏りの強さなのですが、
供給面で申し上げれば、世界全体の供給量(注)の60%近くが、
南アフリカ一国で占められています。しかもそのうち約半分は
アングロアメリカン一社によるものです。

注)この供給量には鉱山からの産出だけでなく、自動車触媒や宝飾品
からの回収も含んでます。

ですから南アフリカでの産出は、プラチナ相場に大きな
影響があるわけですが、逆に言えば、この点でプラチナは大きな問題を
抱えているといってよいでしょう。

数年前チリの銅山で起きた事故は記憶に新しいところですが、
プラチナでも同様の問題が起きる可能性があります。
すでに地表近くは掘りつくされており、鉱脈は深くなるばかりです。
ほかにも鉱山労働者のストライキや、慢性化している電力不足の問題
などもあり、今後は南アフリカでの減産は避けられそうにありません。

過去7年にわたって続いた供給過多の影響で、プラチナの
地上在庫はだぶつき気味ではありますが、上記のように
今後はその状況に変化がでてくる可能性があると思います。

市場は欧州経済や欧州での自動車販売の状況、
あるいは南アフリカにける生産の状況など見ながらも、
年末にかけて徐々に上昇する可能性が高いとみております。

次回は同じ白金族、
パラジウムのお話しをしたいと思います、
パラジウムはさらに需給がタイトで、僕はプラチナより
面白いと思います。

 

では、今回はこのへんで。

(2013年8月27日)



 




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