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不明瞭になってきた日本の経済税策

みなさんこんにちは。

2年半前に就任した黒田日銀総裁は、
「2年で2%」というアグレッシブなインフレ目標を
設定しました。

当時からさまざまな批判はありましたが、
一連の量的質的緩和政策(以下QQE)は、少なくとも
ここまでのところ、我が国経済に大きく貢献をしたと
言えるのではないでしょうか。

なによりも民主党時代に進んでしまった超円高を、
反転させた功績は大きかったと思います。

長らく超円高という不当な競争条件にさらされてきた
日本企業も、あれ以降ようやく公正な土俵の上で、
国際競争に参加できるようになったわけです。

その結果、2015年3月期の企業業績は過去最高となり
ましたし、現在発表中の2016年度中間決算もまた、
過去最高益を記録しそうな勢いです。

法人税は当初予算を上回り、日本国債の発行額も
計画の範囲に収まる可能性が高そうです。

ここまで日銀は大変素晴らしい仕事をしたと
思いますし、黒田さんの実績は称賛に値する
のではないでしょうか。

ただし今後のことを考えますと、僕は少し不安に
なってしまいます。

まずは賃金が心配です。インフレの影響を除いた実質賃金は
ようやくプラス圏に浮上しましたが、残念ながらいつ
また水面下に潜ってしまうかわからない程度のレベルです、
今後日銀の想定通りインフレ率が2%に達した場合、
はたして賃金はそれ以上のピッチで上昇するでしょうか?

インフレ率以上に賃金が上がらなければ、
インフレによって国民の生活は苦しくなるだけです。

その場合、いったい何のためのインフレターゲット
なのかということになりはしないでしょうか。

二つ目の心配はここまで膨れ上がったマネーを、
どうやって日銀は回収するのかという点です。

景気は常に循環いたします。仮に近々QQEを停止できたとしても、
いずれまた日本の景気は後退期に入るでしょう。

その時にまたQQEを行うとしたら、いったい
市場にばら撒かれたお金を、いつになったら日銀は
回収できるのでしょうか・・・

などなど考えますと、少なくとも安倍さんや黒田さんが
登場した2012年末や2013年初時点に比べ、少しずつ
状況は厳しくなっているような気がするわけです。

少し悲観的過ぎるのでしょうか・・・

 

では今回はこのへんで。

(2015年11月2日)




 




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