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貨幣の変遷とその近未来

みなさんこんにちは。

たしかにおカネは便利ですね、
いつでもモノやサービスと交換できますし、
銀行に預けていれば盗まれる心配もありません、
モノと違って腐ったり劣化したりしませんし、
瞬時に遠くの場所に移動させることだってできます。

人間が貨幣を使いは始めたのは紀元前6世紀といわれていますが、
それ以来延々と貨幣が使われ続けたのには、相応の理由があるに
違いありません。

この間の貨幣史を振り返りますと、実は貨幣もいろいろ形を変えて
現在に至っていることがわかります。

貨幣の誕生当初は金や銀、銅あるいはそれらの合金でできていて、
貨幣そのものに稀少価値がありました、つまり貨幣の額面と
物質としてみた貨幣の価値が等価だったわけです。

古代ギリシャ・ローマの時代から中世を経て近代に
至るまでこの状態が続きますが、その後紙幣の登場や卑金属製
(アルミやニッケル製)の貨幣の登場とともに、貨幣の性格は
大きく変わることになります。

すなわち貨幣そのものには価値はなく、貨幣を発行する政府や
中央銀行の信用を裏付けにして、貨幣が成立するという構図に
変わったわけです。

その意味で不換紙幣(ふかんしへい:注)や卑金属コインの登場は、
長い貨幣史における革命的な出来事だったといえるでしょう。

注)金と交換できない紙幣、これに対して兌換紙幣(だかんしへい)
  は政府や中央銀行によって金との交換が保証されていました。

たしかに科学技術や金融システムは急速に進歩していますが、
このように振り返りますと、ながい貨幣の歴史のなか、
我々が『無価値貨幣(注)』を本格的に使い始めて、
たかだか150年ほどしかたっていないことになります。

注)無価値貨幣:僕が勝手に造った言葉です、金貨や銀貨、銅貨と
  違い貨幣そのものに価値がない貨幣のことで、ここでは不換紙幣や、 
  卑金属コインをさしてます。

しかもこの150年の間にすら、貨幣の性格は驚くほど変化しました。

兌換紙幣から不換紙幣に切り替わったのが70年ほど前。

おカネが電気信号に置き換わり、クレジットカードによる
決済が始まったのは60年ほど前。

さらに情報ネットワークを介した電子マネーが登場したのは
20年ほど前・・・

そしてついにビットコインなど、中央銀行が関与しない
仮想の通貨が2009年に登場しました。

このように見てまいりますと、貨幣の進化は加速度的に
早くなっていることがよくわかります。

仮に『無価値貨幣』の登場が貨幣史上の最初の革命なら、
ビットコインなど中央銀行が関与しない貨幣の登場は、
二度目の革命と呼べるかもしれません。

もしかしたら中央銀行が貨幣を発行量をコントロールする
時代は、終わりつつあるのかもしれませんね。

では貨幣の近未来はどうなるのでしょう・・・

技術の進歩は不連続に起きる場合があり、
なかなか予想は難しいのですが、以下の傾向だけは
明らかだと思います。

□おカネの電子化はさらに進み、私たちが普段の生活で、
 お札やコインを使う機会はなくなる。

□ネットワークを介したお金の決済はますます進み、国境を
 超えた決済のコストと手間はゼロに近づく。

□ビットコインなど仮想通貨の地位が高まり、中央銀行が発行する
 正規のおカネとの共存が進む、この過程で正規のおカネの存在感は
 低下する。

こんなおカネの世界が意外と早く訪れるかもしれません。

 

では今回はこのへんで。

(2016年12月2日)




 




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