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久々にジム・ロジャーズさん

みなさんこんにちは。

最近テレビや新聞などで、ジム・ロジャーズさんへの
インタビューをよく目にします。

本も出されたようで、そのプロモーションでしょうか、
久しぶりに来日されているようですね。

皆さんの中にも、インタビューを
見聞きされた方は多いのではないでしょうか。

インタビューの内容はいつもの通りで、

例えば、

・世界的にお札が大量に刷りまくられており、
 維持不能なレベルまでになっている

・金利の低下などから、負債を拡大する主体が多く、
 世界は過剰債務の状態にある

・史上最悪の世界恐慌は必ず来る、備えとしては
 実物資産を持つしかない

・日本は巨額の借金がある一方で少子化が進んでいる、
 今後日本は衰退するだろう

・中国は債務拡大などで問題を抱えているが、
 いずれ世界の覇権国になるだろう

・北朝鮮は投資対象として有望

こんな内容ですが、
僕自身もジムさんに共感する部分はいくつかあります。

例えば世界的な過剰マネー状態からくる、
「債務の拡大⇒破綻の連鎖⇒金融ショックの再来」
というシナリオへの備えが大切だという点です。

もし本当にこのような金融ショックが起きるなら、
私たちはその被害から自らを守らなければなりません。

この場合、どのような行動が求められるのでしょうか。

前回のショック時でも経験した通り、
金融の世界で起きるショックは、株や債券、ヘッジファンドなど
証券化された金融商品(言い換えれば「ペーパーアセット」)へ、
連鎖的に広まってゆきました。

一方で貴金属やコイン、宝石など一部の現物資産への
影響はほとんど見られませんでした。

このことから現物資産の組み入れ、すなわち質的分散が、
ジムさんのおっしゃる金融ショックへの対策として、
機能すると考えてよいでしょう。

この点についてジムさんは、近著『お金の流れで読む
日本と世界の未来』の中で少し触れられていますが、
あまりに僕の考えと近いので少し驚きました。

ただし問題は、その「金融ショック」がいつやってくるか
という点で、その点に関しては僕は少しジムさんと
違う考えを持っています。

確かに先のショック以降、日米欧はじめ先進国が
印刷してきた紙幣の量は膨大です。

一方でそのようなチープなマネーの借り手はドンドン増え、
世界の債務残高は異常な水準まで膨らんでしまいました。

世界の債務総額は247兆ドル(注)で、これはGDPの約3.2倍です、
すでにリーマン・ショック時(約3倍)を超えてしまいました。

注)昨年末時点の残高、IIF(国際金融協会)による

果たしてこの危ういバランスは今後も維持されるのでしょうか。

もし崩れるとしたら、それはいつでしょう?

来年でしょうか、5年後でしょうか、
それとも50年後でしょうか。

残念ながら僕にはジムさんのような予知力はありません、
僕が実践できるのは、危機到来の時期を読むことではなく、
危機に備え日ごろから資産の質的分散を行っておくということです。

そして分散しておく先は、金融の世界から距離がある資産・・・

すなわち現物資産です。

具体的には不動産、コイン、宝飾品などで、
これらは万一の時に役に立つと思っています

仮に近々破局が来ないとしても・・イエ永遠に来ないとしても、
今後もマネーの量が増えてゆくことは間違いないでしょう。

事実、世界経済の減速懸念から、アメリカは既に、
資金の回収停止を視野に入れ始めました。

今後の世界経済の動向次第で、再びQE(資金供給)に転じる
可能性すらあるでしょう。

アメリカで10年近くも景気の拡大が続いているにもかからず、
マネーの回収停止を検討せざるを得ない状況・・・

景気後退のたびに安易に紙幣の印刷に走る結果、
市場に滞留する資金は延々と増え、その一方で借り手は
このチープなマネーを借り続ける構図です。

つまり「マネー増殖への依存症」は一時的なものではなく、
もはや構造的な現象ではないかと思います。

従って例え金融ショックが起きなくても、
マネーは増殖を続けることになるでしょう、
人間の欲望のおもむくままに・・・

そしてその結果として、相対的な現物資産の価値は
高まらざるを得ません。

つまり危機が訪れても、訪れなくても、
質的分散は有効だということです。

 

では今回はこのへんで。

(2019年2月26日)




 




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