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マネーは実物資産へ向かう

みなさんこんにちは。

先週に続き、
今回もペーパーアセット増殖への備えについて、
お話ししたいと思います。

中央銀行による紙幣の大量印刷は、
二つのルートで実物資産への投資につながっているようです。

一つ目のルートは金利の低下です。

中央銀行(以下「中銀」)が市中から国債などを大量に買い付け、
その対価として自らが刷った紙幣を支払う・・・

これが中銀が行っているQEと呼ばれる政策です。

このように中銀は市中から大量の国債を買い入れますので、
国債の価格は上がり金利は下がります。

一方ですべての金融商品の保有から得られる収益は、
国債の保有から得られる収入、つまり国債の金利(以下「基準金利」)
と比較されます。

たとえば金(Gold)です。

私たちが金を持っていても、
国債と違って1円の利子ももらえません。

今の日本の個人向け国債10年物の利率はわずかに0.05%ですが、
仮にこの利率が2%もあればどうでしょう。

私たちが1000万円でこの国債を買えば、毎年16万円(税引き前)の利息を
受け取ることができます。

一方で同じおカネで金を買えば利息はゼロです。

金を買っても利息がゼロ、
国債を買えば16万円の利息がもらえるなら、
金より国債を選ぶ人が増えるはずです。

このように金利が高い時には、収益を生まない実物資産は避けられますが、
逆に今のように金利が低いときは実物資産が好まれるのです。

つまり

中銀による紙幣の大量印刷⇒基準金利の低下⇒実物資産へのおカネ流入

というルートで実物資産へおカネは流れ込むといってよいでしょう。

もうひとつ実物資産におカネが流れ込むルートがありますが、
そちらは上記と違って心理的な理由で起きています。

中銀が大量に紙幣を印刷すると紙幣一枚当たりの価値が薄まり、
結果的に私たちの紙幣に対する信頼感は低下します。

各国の中央銀行が米ドルから金(Gold)へ資金をシフトしているのも、
フェイスブックによる新通貨リブラ設立の動きも、
足元で銀の相場が上がりつつあるのも、
中国人が自国のアンティーク・コインやカラーストーンに資金を移すのも、
年金が実物資産投資を増やすのも・・・

おそらく根っこは同じで、

中銀による紙幣の大量印刷⇒既存の通貨体系への不安感の台頭
⇒実物資産へのおカネ流入

というルートで、
実物資産におカネが流れ込んでいるのだ思います。

そして先を見渡しても、
今起きているマネー増刷の流れは止まりそうにありません。

であれば「金利の低下」と「既存通貨への信認低下」という二つのルートで、
これからも実物資産におカネが移動する傾向は続くのでは
ないでしょうか。

新しい貨幣の秩序が構築されるまでは・・・

 

では今回はこのへんで。

(2019年9月2日)




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