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金の相場と中国コイン

みなさんこんにちは。

「金と中国コイン、どっちが儲かるでしょうか?」

中国コインが値上がりしているからだと思いますが、
最近僕はお客様からこんなご質問をよくいただきます。

たしかに「金と中国コイン」、どっちも中国人が好む実物資産ですし、
いま両方とも値上がりしています。

でも過去の値動きを見るとどうでしょう。

値上がり率という点で明らかに優劣があることがわかりますし、
その理由について考えることは決して無駄ではないと思います。

先日僕はこのメルマガで、中国関連の実物資産について
以下のようなお話しをいたしました。

・2000年以降、中国コインの相場上昇は顕著で、
 概ね価格は10倍から20倍ほどにもなっている

・ほかに中国人が好むルビーやスピネル、ヒスイなども
 同程度値上がりしている

・確かにすごい値上がりだが、同期間の中国経済の規模は
 12倍ほどに拡大している

・このことから中国人好みの現物資産の値上がりは
 驚くに値しない

上記のとおり中国のレアコインが2000年以降の約20年で、
概ね10倍から20倍に値上がりしていますが、
金はこの間どのように値動きしたのでしょう。

たとえば今から20年ほど前の1998年から2002年あたりにかけ、
金の相場は1オンスあたり300ドル以下でした。

直近の相場は1500ドル前後ですので、
この間5倍ほどの値上がりです。

5倍といえばかなりの上昇率ですが、
中国コインやカラーストーンに比べれば、
ちょっと物足りない気もします。

なぜでしょう。

理由は3つほどあると思います。

一つ目は中国コインと比べ、
金は「中国人好み」が薄まっているからだと思います。

たしかに中国人も金を好みますが、
たとえばインドの庶民層や各国の中央銀行なども金を好みますし、
ETFも随分と金を組み入れています。

ですから中国経済拡大の影響が、
ストレートに金価格に効いてこなかったといえるでしょう。

二つ目は金は再生産ができないコインや、
枯渇が懸念されているルビーなどとは違い、
今でも大量に採掘されているからだと思います。

その結果、金はコインやカラーストーンほどには
値上がりしなかったのではないでしょうか。

三つ目は金の10%ほどが産業で使われているからだと思います。

金の価格が上昇しますと、ほかの金属(例えば銀や銅など
安価な金属)による代替が進み、その結果、金の産業需要が減って、
価格が下がるという調整が働いているのではないでしょうか。

一方でコインや宝石は産業用途で消費されることはありません。

ですから相場が上がったからといって、
他の物質に代替されるということはありません。

金価格の値上がり率が中国コインやルビーに比べて鈍いのは、
以上のような理由からではないかと僕は思います。

金は換金性の点でコインや石に勝りますが、
今後の価格上昇という点ではどうでしょう。

僕は上で挙げた3つの理由が消えてなくなるとは思いません。

 

では今回はこのへんで。

(2019年10月16日)




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