ホーム > T's資産運用コラム > ドル基軸体制の崩壊とその対策-1
ドル基軸体制の崩壊とその対策-1

みなさんこんにちは。

さまざまな考え方があるのは承知していますが、
一国の「国力と通貨」の間には、相関性があるのではないかと
僕は思っています。

1800年の半ば、世界の覇権を握っていたのはイギリスですが、
当時の基軸通貨はポンドでした。

その後二度の世界大戦と金融恐慌などを経て、
世界の覇権はイギリスからアメリカに移りしましたが、
はぼ同じタイミングで基軸通貨の地位はポンドから米ドルに移っています。

でも本当の意味で世界経済がグローバル化したのは、
おそらく19世紀以降だといえるでしょう。

ですからこのポンド体制からドル体制への移行は、
歴史上唯一起きた基軸通貨の移行だったともいえるわけです。

なのでこの一例のみをもって、
必ずしも覇権国の通貨が基軸通貨になると言い切ることはできません。

でも現在のアメリカが享受している米ドル基軸体制の利点について考えれば、
次に世界の覇権を握る国にとっても、
自国の通貨が基軸通貨になる利益は相当大きなものになるはずです。

あるいは別の見方もできます。

経済の拡大に伴って世界の覇権を握った国の通貨は、
交易決済の手段として、あるいは他国の外貨準備の対象として、
活用されるようになるのが自然な成り行きだといえるでしょう。

このようなことから僕は、それが意図的なものであれ、
自然な流れであれ、次に覇権を握る国の通貨は、
きっと世界の基軸通貨になると思います。

ですから現在アメリカと中国の間で繰り広げられている覇権争いは、
基軸通貨がドルのままとどまるか、それとも人民元に移るか
という側面を持っているといえるでしょう。

中国政府はすでに「デジタル人民元」を発行する準備を進めていますが、
これはあきらかに人民元が次の基軸通貨になることを、
狙ったものだと思います。

振り返れば19世紀後半、イギリスのポンドが基軸通貨だった頃、
1ポンド=4.8ドル近辺で推移していました。

それが現在では1ポンド=1.3ドルほどに過ぎません。

もしかしたら当時と似たようなことが、
ドルと人民元の間で起きるかもしれません。

その場合、日本円は一体どのような位置づけになっているのでしょうか、
またアジアの新興諸国の通貨はどうなっているのでしょう。

そしてわたしたちは、どのようにして自らの資産を
守ってゆけばよいのでしょうか。

次回はそのような点について少し考えてみたいと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2019年11月21日)




このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。

「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。

【購読登録】 メールアドレスご入力ください :
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
totop