| ■デジタル通貨の影響を注意してみておく 
 みなさんこんにちは。 ここのところ各国の中央銀行が、デジタル通貨への取り組みを積極化させているようですね。
 このメルマガで何度かとりあげさせていただいたように、すでに中国はデジタル人民元導入に向け、実証実験を行う
 段階まで来ています。
 日本はじめカナダやイギリスなど6か国の中央銀行も、「中央銀行デジタル通貨」の発行に向けて、
 新しい組織を立ち上げたようです。
 つい数か月前まで日銀は、デジタル円に関してはさほど積極的でなかった印象なので、
 僕にとっては意外でした。
 この背景にはやはり中国への警戒があるのでしょう。 仮にデジタル人民元が導入され、たとえば日本の近隣に、「一帯一路経済圏」や「中華経済圏」のようなものが形成されてしまうと
 どうなるのでしょう。
 世界経済の中では限られたエリアではありますが、これら地域おける、ローカルな基軸通貨の地位をデジタル人民元が
 占めてしまった場合、日本経済にとってただ事ではすみません。
 その状態を放置すれば、海外送金の容易さやコストの安さから、私たち日本人や日本の会社など日本経済の一部が、
 「デジタル人民元経済」に組み込まれてしまう可能性すらあるでしょう。
 お隣の日本が無策のままでいいのかという不安にかられ、一応情報だけは収集しておこう・・・
 日銀の心のうちはきっとこんなところではないでしょうか。 もう一つの日銀の心配事は、「リブラ構想」に代表される、民間のデジタル通貨乱立への懸念だと思います。
 いまのところリブラは構想段階ではありますが、もはや通貨のデジタル化の流れは止めようもありません。
 民間の企業グループなどがデジタル通貨に本格参入する前に、日銀もデジタル貨幣の発行のノウハウを、
 収集しておきたいという思惑があるに違いありません。
 このように日銀によるデジタル通貨への取り組みは、今のところ研究段階に過ぎないと思うのですが、
 たとえば向こう5年、10年という時間軸で見るとどうでしょう。
 世の中がこれほどデジタル化している中で、経済の根幹をなす貨幣のみが、数千年まえと同様、
 金属や紙のままでいられるとは到底思えません。
 まずは構想・研究段階を経て実証実験のスタート。 その後はデジタル通貨と旧紙幣(もしくは硬貨)との併用時代を経て、いずれはデジタル通貨に一本化・・・
 この流れは避けがたいのではないでしょうか。 その場合私たちの日常生活や資産運用にいったいどのような変化が生まれ、そして私たちは何に気を付けておくべきなのか、
 そろそろ私たちは考え始める段階にきていると僕は思います。
   では今回はこのへんで。 (2020年1月22日) 
 
 ■このコラムが一週間早くお手元に届きます
 当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
 は下記からご登録いただけます。
 
 「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。
 
 『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
 |