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今は買いにくいアメリカ国債

みなさんこんにちは。

いま世界の債券市場では考えられないようなことが起きています。

たとえばアメリカの国債です。

アメリカの10年債の現在の利回りはわずか0.6%強しかありません、
1000万円でアメリカ国債を買っても、一年あたり6万円ほどしか
儲からないということです。

2年前の今頃の同国債の利回りは3%もありましたので、
1000万円の投資で得られる利益は30万円ほどもありました。

上記は一年あた利益ですので10年間の総額を比べますと、
以下のように大きな開きになってしまいます。

・現在の利回り0.6%、10年間の利益合計60万円
・2年前の利回り3.0%、10年間の利益合計300万円

注)ドル円レートが変わらないと仮定、 
  また税は考慮していません

このように現在のような低金利下で長期債を買うと、
保有期間ずっと低金利状態が固定されるので、
投資家が得られる収益は随分と少なくなってしまうのです。

それだけではありません、
「債券の価格」と「金利」はコインの裏と表です。

つまり債券相場が上がると金利は下がり、
逆に債券相場が下がると金利は上がります。

注)このあたりの仕組みをご説明すると、軽くメルマガ一回分くらい
  の分量になるので今回は割愛させていただきます。

ですから、今のような超低金利下で債券を買いますと、
今後金利が正常化した際に、思わぬ大きな含み損を抱えて
しまいかねません。

コロナの終息は一つのきっかけになると思います、
かりにコロナ終息に伴い経済が正常化に向かえばどうでしょう。

その場合FRBは低金利政策を続ける理由は無くなります、
その結果、金利は上昇し債券価格は下がります。

いまのところFRBは2022年までゼロ金利政策を続ける見通しですが、
中央銀行は政策を柔軟に変えなければなりません。

債券は必ず決められた価額で償還されますので、
満期まで持てば必ず購入時に設定された「利回り」を
得ることはできます。

ただし購入したとたん大きな含み損を抱えてしまえば、
精神的なストレスになるでしょう、そして幾人かの方は
そのストレスに耐え切れず、途中でその国債を手放して
しまうかもしれません。

もちろんその場合は、
約束された「利回り」をえられなくなる場合もあるのです。

私たちが米国債を買う場合、
もう一つ注意しなくてはならないのは税金です。

このお話しは複雑ですので結論だけ申し上げますと、
今のような低金利下で長期債を買う場合、
最終年の税の還付が十分に受けられず、
税引き後の利回りはさらに低くなる場合があります。

以上今回はアメリカ国債への投資について
考えてまいりました。

金利の低下に伴って投資家が得られる収益が減っている
にもかかわらず、私たち日本人からみれドル円の
為替の変動はしっかりと受け入れなければなりません。

そのような点で今の米国債が、
リスクに見合ったリターンが得られるとは思いません。

 

では今回はこのへんで。

(2020年8月25日)




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