| ■インデックスファンドはいつ売ればいいのか 
 みなさんこんにちは。 インデックスファンドは株価指数に連動するように設計された投信のことです。
 具体的にいいますと、たとえば日経平均株価やニューヨークダウ平均株価など、その国の平均株価への連動を目指すファンド(投信)で、
 広い意味ではETFも含みます。
 各市場のインデックスの構成銘柄は一般に公開されていますので、運用側はがんばって企業業績の分析や予測をする必要がありません。
 その比率通り買えばいいのです。
 なので運用会社はローコストでインデックスファンドを運用することができ、結果的に経費率を下げることができるわけです。
 またインデックスファンドは、その市場の主要企業の株を広く浅く分散して購入しますので、そのうちの一社や二社がつぶれたからと
 いってさほどの痛手を受けません。
 その国、その市場の会社が全体として成長してゆけば、インデックスファンドへの投資は長期的に報われることになるのです。
 このようにインデックスファンドは ・低コスト・分散投資
 という点で優れた面があるのですが、この長所が逆に私たちの判断を誤らせることもあります。
 一つ例を挙げさせていただくと、売りのタイミングの取りづらさです。
 多くの方は売買のコストが安いゆえ、ちょっと値上がりしただけで売ってしまいたくなるようです。
 「儲かったら利益を確定し下げたところでまた買おう」 こんな誘惑に負けてしまう人は意外と多く、それが結果的に長期的なリターンの邪魔をしている例も
 時々見かけます。
 つまり「売らなかったならもっと大きく儲かったのに」ということがよく起きるのです。
 僕は人間に予知能力はないと思っています。 僕自身の株式投資経験から考えて、これはどうやら否定しがたい事実ではないかと思うのです。
 自分自信も過去数えきれないくらいインデックスの売買をやってきました、「目先〇〇〇のイベントがある、
 下がりそうだからここでいったん利喰っておき、
 下げたところで買い戻そせばいいや」
 こんな浅はかな考えからです。 その時々それなりに理由があってやってきたころなのですが、あとで考えれば「下手な考え休むに似たり」、なんのことはない、
 分散の効いたインデックスに投資し、そのまんまずっと持っておいた方が
 よほど儲かったことが今になってわかります。
 このあたりが株の個別銘柄と違うところですし、同時にまた僕がインデックスファンドが不得意な理由でもあります。
 では私たちはインデックスファンドと、どのようにつきあってゆけばいいのでしょう。
 「インデックスファンドを手放すべきタイミングは二つある」これが僕の結論です。
 一つ目はその国(や市場)で株価が異常に上昇し、PERやPBRなど客観的な数字からバブルだと確信したとき。
 これは日本で1980年代終盤に起きた株式バブル、アメリカで2000年初頭に起きたITバブルなどが相当いたします。
 ご存じのように日経225などは35年経った今でも当時の高値を抜けていません、いくらローコストかつ分散が効いた
 インデックスファンドでも、このようなバブル時にはスッパリと
 手仕舞うべきだったことがわかります。
 これが外部要因によるインデックスファンドの売り時だとすれば、自己都合による売り時もあります。
 たとえば私たちが若いころにインデックスファンドに投資し、時に応じ買い増していった場合、自分自身のライフステージに
 よって売りのタイミングはやってくるものです。
 たとえば自宅を購入するとき、
 お子さんの教育費に充てるため、
 お子さんやお孫さんにその一部を贈与するとき、
 介護マンションの一時金に充当するため。
 場合によっては日々の生活費に充てるためであったもいいでしょう。 このような人生のステージで、必要に応じインデックスファンドを売却し、
 その資金を有効に活用する・・・
 これもまた分散+低コストを特徴とした、インデックスファンドの解約のタイミングとしてふさわしいと思います。
 逆に言えば上記の二つ、すなわち
 ・市場のバブル化・ライフイベントへの活用
 という理由以外で、インデックスファンドを売るべきではないと僕は思います。
 つまりBuy and Holdです。 そもそもインデックスファンドは「樹を見ず森だけを見る」投資です。 そしてその根底には一国の森、あるいは世界の森というものは、植物がこの地球に生きている限り成長してゆくという発想、
 おおげさにいえば人間の経済成長にかける哲学のようなものがあるはずです。
 インデックスファンドへの投資を決めた時点で、私たちはこの発想を受け入れているともいえるのではないでしょうか。
   では今回はこのへんで。 (2020年10月22日) 
 
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