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今回の決算発表で気を付けたいこと

みなさんこんにちは。

四半期恒例の決算発表が近づいてきましたね、
はやくも今日は日本電産など先発隊が発表します。

そのむかし僕はある会社で連結決算を作っていましたので、
この季節が来るといまだに懐かしさを覚えます。

連結決算は親会社、子会社など含めてグループ全体の決算で、
これを見ると親会社単体はもとよりグループ全体の経営状況が
よくわかります。

僕がやっていたころは決算日から100日もかけて連結決算を
作りましたが、今では日本電産のように、〆後わずか3週間ほどで
連結決算を発表する会社も出てきました。

今後ますますIT化が進みますので、
そのうち決算期の〆後一週間ほどで決算を発表できるように
なるに違いありません。

さてその決算です。

多くの会社は3月末日締めですので、
今回は2020年4月から2021年3月までの年間決算(本決算)
が発表されることになります。

生身の人間で言えばお正月明けのようなもので、
昨年一年間の業績を発表する場になります。

それだけに通常の四半期決算以上に、
市場から高い注目を集めるのです。

四半期決算が重要なのはいつものことですが、
今回は2つの意味で重要性が高いといえるでしょう。

一つ目は今回が上記のように本決算である点です。

二つ目はコロナ蔓延からほぼ一年が経ち、
いわば節目の決算になる点です。

特に市場が注目しているのは今期の見通しです、
前期(2020年4月から2021年3月)はすでに終わってしまった期ですので、
いくら良い数字が出てきても市場にとってはすでに過去のお話しです。

市場が注目しているのは今期(2021年4月から2022年3月期)の方で、
各社がどの程度強気の見通しを出してくるか、
そこに注目しているのです。

その観点で申し上げると、今回の決算で厄介なのは
事前の期待値が相当盛り上がってしまっている点です。

例年ですと対前年比で30%もの増益予想が出てくれば、
市場は好意的に反応するものですが、
今年はどうでしょう。

前期はコロナの影響を受けましたが、
今期はそこが発射台になります、

すでに現在の株価に高い期待が織り込まれていますので、
いくら30%の増益予想でも市場は落胆しかねません。

実際に半導体関連や5G、EV関連の高成長企業では、
ここ数四半期の決算のたび、
そのような落胆現象が見られました。

すなわち業績や業績予想が素晴らしくても、
現在の株価にすでに織り込まれ済みで、
決算発表と同時に株価が下落するという現象です。

今回は節目の年間決算だけに、
この「落胆現象」に注意しなくてはなりません。

EVや5G、自動化倉庫あたりはさほどでもありませんが、
半導体関連、特に先端半導体銘柄の高PER銘柄では、
相当期待値が高まっているように見えます。

なので今回の決算発表では、
この「落胆現象」には注意しておきたと思います。

このような懸念への対処方は二つあると思います。

一つはいったん利益を確定しておくという考えです、
もし決算発表後にいったん大きく売られるなら、
そこで再び参入です。

二つ目はそのまま維持です、
決算発表後にいったん大きく売られても、
先端半導体など高成長企業の前途は有望です、
過去の値動きをみても次の四半期決算発表にむけ新しい材料が出て、
再度上昇する可能性は高いといえるでしょう。

どちらを採られるかは皆さん次第ですが、
それぞれ一長一短あることは言うまでもありません。

 

では今回はこのへんで。

(2021年4月22日)




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