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日米株価の下落をどう見るか

みなさんこんにちは。

今週アメリカや日本の株価は大きく下げました。

ニューヨークダウは1155ドル(3.3%)、
日経225は1795円(6.1%)下げました。

注)日経225は本日(5/13、午前10:45)現在の数字で計算

理由はいくつかあると思いますが、
最大の要因はアメリカの物価上昇懸念ではないでしょうか。

日本時間の昨夜発表された統計では、
アメリカ4月度の消費者物価指数は、
前年同月比で4.2%の上昇(注)でした。

注)CPI指数

なんでも4.2%は、
リーマン・ショック直前の2008年9月以来の高い伸びだそうです。

日米とも株価は物価統計の発表以前から下落していましたが、
市場ではすでにその懸念が出ていたのだと思います。

アメリカの物価が想定以上に上がりますと、
テーパリング(流動性供給の縮小)が早まるのではないかと
多くの投資家が心配いたします。

事実2015年には、
当時のFRB議長バーナンキさんがテーパリングを示唆し、
アメリカ株が大きく下げたとことがありました。

株価が高値圏にあるだけに、
多くの参加者がバーナンキ・ショックの再来を
心配したのでしょう。

でも僕はこの件に関してさほど心配していません。

4月のアメリカ物価上昇は中古車価格や宿泊費、
航空運賃の上昇などの短期的な要因が多いですし、
上昇率算出の起点になった昨年4月は、
コロナショックで物価が低迷していた時期です。

3月に給付された1400ドルの給付金の影響もあるでしょうし、
ワクチン接種によるコロナ終息見通しという、
心理的な解放感も広がっているはずです。

このような追い風がいつまでも続くとは考えらず、
僕は向こう半年から一年ほどかけてアメリカの物価は、
徐々に巡航速度の2%程度に下がってゆくとみております。

FRBも同じ見方のようで、
2015年のバーナンキさん時代のように、
不用意なテーパリング宣言は避けるでしょうし、
テーパリング自体も来年に入ってからだと思います。

以上のような理由から、
向こう数週間ほどは日米とも株価に対して下落の圧力が
かかる思いますが、時間の経過とともに落ち着いてくると
見ております。

ただしその後、日米の株価がもとの上昇基調に戻るとは
僕は考えておりません、なぜなら現在の株価には、
すでに向こう1年ほどの企業業績拡大が織り込まれているからです。

日本株の場合、今期(2022年3月期)の予想収益をベースに
しても、PERは16台で適正相場にあるといえるでしょう。

かりに日経平均が急落前の29,500円に戻るなら、
それだけでもPERは17.5倍に上がってしまい、
少し割高な水準です。

このようなことから僕は年後半の相場は、
「日米ともボックス圏で推移する」とみております。

今の時点で年初このメルマガでお話しした見通しを、
修正しなくてもよいと考えております。

 

では今回はこのへんで。

(2021年5月13日)




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