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下半期の日経平均予想とねらい目

みなさんこんにちは。

たぶんこのメルマガが、
今年上半期の最終回になると思います、
なので今回は下期の日本株について少し考えてみたいと思います。

僕は年の初めのメルマガで、
その年のさまざまな相場を予想をしています、
いつから始めたのか記憶にありませんが、
多分10年以上やっていると思います。

今年も年明け一回目で一年の予想をしました。

日本株については、
適正株価は日経平均ベースで29,200円、
そこからさらに勢いづいたとしても許容範囲はせいぜい
32,850円と申し上げました。

いまのところ上記のライン通りきていると思いますが、
ここから先は少し見通しの修正が必要かもしれません。

理由は僕の予想を上回る企業業績の回復です。

年初の見通しで僕は2022年3月期、2023年3月期と
2期連続で30%増益と予想していましたが、
実際にはすでに2021年3月期(前期です)のうちに、
前倒しでほぼ30%の増益を達成してしまいました。

これは僕の予想を上回るスピードでした。

なのでもし今期(2022年3月期)に30%増益を達成するならば、
僕が年初に立てた想定を一年前倒しで達してしまうことになります。

一方で株価は先を見て動きます、例年だと年末あたりには
翌期(2023年3月期)の企業業績を織り込み始めることに
なります。

ちょっとややこしいので、
あらためてここで数字を整理しておきましょう。

今年の初め僕は

・2022年3月期⇒30%増益
・2023年3月期⇒30%増益

とみましたが、実際には2021年3月期に30%増益を
前倒しで達成してしまった格好です。

つまり今期(2022年3月期)の発射台は30%分だけ
高くなっていることになります。

発射台が高いだけに3期連続の30%増益(トリプル・サーティー)の
達成は難しく、せいぜい来期(2023年3月期)の増益率は
10%-15%が限界ではないでしょうか。

時系列で書けば

・2021年3月期⇒30%増益
・2022年3月期⇒30%増益 ⇒今期
・2023年3月期⇒15%増益

こんな感じです。

では仮に、上記の通り
2023年3月期の増益率が15%ならどうなるでしょう。

この場合、現時点から年末にかけ、
来期15%増益を織り込む形で日本株は動くはずです。

現在の日経平均は29,000円前後ですので、
ここから15%上がれば33,000円台の前半あたり。

ここを目指して日本株は動くことになると思います。

一方で波乱要因もあります。

先日来、アメリカ発の株価動揺が起きていますが、
これからも折に触れ株価が激しく上下する可能性が高いと思います。

予想を超えるアメリカ経済の過熱に対し、
FRBは少し神経質になっているように見えます。

振り返れば2013年にも似たことが起きました。

当時FRB議長だったバーナンキさんが、
景気過熱を懸念しテーパリング(注)を示唆し、
そこからアメリカ株が大きく下げたことがありました。

注)テーパリングは市場に対するおカネの供給を徐々に減らす政策です、
  中央銀行(FRB)が延々とおカネを供給し続けると、景気の過熱や
  カネ余りからインフレ傾向が高まります、それを未然に防ぐため、
  おカネの供給量を減らす政策のことをテーパリングと呼びます。

先日(6/16)に開かれたFOMCで、
FRBは従来の想定より早い利上げを示唆しましたが、
市場は当然ながらテーパリングの時期も早まるのでは
ないかと心配したわけです。

昨日(6/22)のパウエル議長の議会証言で、
いったんは落ち着きを取り戻しましたが、
過熱気味な市場に対し、どこかのタイミングでテーパリングや
利上げを織り込ませなくてはなりません。

そしてその都度、日本株も今回のように荒れる
ことになるでしょう。

ただしテーパリングが実行されたとしても、
アメリカ株や日本株がそこから下げに転じるわけではありません、
なぜなら経済が正常化するからこそ、
テーパリングや利上げを行えるからです。

その点ではむしろ株価にとってプラスですらあります、
事実2014年1月から同年10月にかけFRBはテーパリングを
行いましたが、その間ニューヨークダウは16,500ドル⇒18,000ドル
に上昇しています。

ご参考までにバーナンキ発言(2013年5月)から
テーパリング開始(2014年1月)の間も、ニューヨークダウは
15,300ドル⇒16,500ドルに上昇しています。

さて日本でもようやくワクチンの接種率が上がってきました。

アメリカからほぼ3か月遅れではありますが、
逆に言えば3か月後の9月後半には、
日本経済もかなり正常化しているはずです。

FRBのテーパリングや利上げの前倒し予想などにより
株価の変動は激しくなるものの、トレンドとしては来期の
企業業績に対する明るい見通しを織り込むかたちになるでしょう。

そして上記のように日経平均は33,000台を目指すのではないかと僕は思います。

その場合の日本株個別銘柄のねらい目としては、
経済正常化で恩恵を受ける銘柄群です。


 

では今回はこのへんで。

(2021年7月1日)




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