そろそろ晴天準備

みなさんこんにちは。

僕がまだソニーに居たころ、
よく「晴天準備を怠るな」といわれました。

きっと当時会長だった盛田さん(注)の言葉だったのでしょう、
僕からみれば盛田さんは雲の上のまたその上の人でしたが、
この「晴天準備」という言葉は何度も聞きました。

注)当時のソニーは社長から新入社員まで、
  お互いを「さん」付けで呼んでいたのです。
  たぶん今もその伝統は失われていないと思います、
  僕はそんな社風が好きでした。

船乗りの世界では、天候の悪化への備えを「荒天準備」と
いうそうですが、「晴天準備」はその逆です。

市場の環境が悪化しているときに、
あえてその先の回復を見越して種をまいておくこと、
それが盛田さん流の「晴天準備」です。

ソニー時代に学んだことはたくさんありますが、
この晴天準備も役に立つ言葉です。

さて先週から世界の株式市場は大荒れです。

その原因がトランプさんという、
たった一人の人間の妄想にある点で理不尽さを感じざるをえません。

でも、
そんなことに腹を立てたところで一円にもなりません、
ここはその妄想の利用を考えるべきときではないでしょうか。

トランプさんは世界を相手に関税攻撃を仕掛けているように見えますが、
その実、相手にしているのは金融市場全体です。

すでに株売りに加え、
アメリカ経済の孤立⇒停滞を見越したドル売りや金買いなども急ですが、
それ以外にも市場の動きは速く、
アメリカ国債も「下げ=金利の上昇」で反応しています。

アメリカの金融機関は大量の米国債を持っており、
これを放置しておくとヤバイことになります。

世界最大のアメリカ国債の保有国である日本はさておいて、
二番目の保有国である中国が、「米国債ウリ」を交渉のカードとして
使うのはみえみえです。

その先はいったいどうなるのでしょう・・・、

アメリカの株価下落、
ドルの下落、
アメリカ国債の下落、

これを放置すれば金融不安を起こしかねません。

いずれトランプさんは、関税を交渉のネタに使う危うさを、
知ることになるでしょう。

さてその視点でさきほどの「晴天準備」です。

目先まだまだ荒れたお天気は続くでしょうが、
こんなときこそ晴れの日に備えなければなりません。

ひとそれぞれ備え方はさまざまでしょうが、
売り込まれた株を安値で仕込むのも、
晴天準備の一つだと僕は思います。

 

では今回はこのへんで。

(2025年4月11日)




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