■国民が選択した円安
みなさんこんにちは。
むかしからよく言われ続けています、
「ちかいうち日本は財政破綻する」
その可能性はゼロではないと思います。
このまま放漫財政を続け、
政治がおカネの分配ばかりに熱中し、
成長戦略を描かなければ、
さらに財政破綻の可能性が高まってゆくのは間違いありません。
でもその可能性が現実にどの程度あるかと考えると、
決して高くはないと僕は思います。
それよりもっと現実的な帰結は、
円安の進行と、
その結果として起きるインフレだと僕は思いますし、
ある意味でそれはすでに起きています。
円安とそれに伴って起きるインフレ進行によって、
物価を加味した財政赤字(実質ベースの赤字)の残高は減りますし、
毎年の歳入規模からみた財政赤字の残高も減ります。
そして先ほど申しましたように、
この「円安+インフレ」はすでに進行中です。
2011年に1ドル=75.32円を付けたドル円レートは、
昨年と今年、一時1ドル=160円台を付けました、
その後やや円高に戻してはいますが、
あしもとでも1ドル=144円台です。
先ほどの1ドル=75円台に比べると、
ざっとドルに対する円の価値は半分になったわけです。
財政破綻が突然やってくる崖だとすれば、
円安はジワジワ進む衰退への下り坂です。
こんな放漫財政を続ければ、
そして成長戦略をないがしろにし続ければ、
私たちを待っているのは上記いずれかだと僕は思います。
今の私たちにとって、
どっちが受け入れやすいかといえば圧倒的に円安で、
つきつめれば日本人は無意識のうちに
財政破綻ではなく円安のほうを選択しているともいえるでしょう。
でも円安がこれで止まるとは僕には思えません。
よくいわれるように近年の財政悪化は
少子高齢化による社会保障関連費の増加が主因ですが、
それ以外に政府によるバラマキの影響も大きいと思います、
きのう告示された参院選にむけた公約を聞きますと、
自民党や公明党だけでなく、
野党もこぞってバラマキです。
一方で「成長戦略」という言葉は散見される程度です。
バラマキの過熱はかなり問題あると思うのですが、
政治家は国民の意見に敏感です。
各党の公約はあるいみで目先のバラマキを期待した、
国民の民意と考えることもできます。
つまり多くの国民は
長期的な成長戦略などさして興味は無く、
目先の分配を最優先に考えているのだと思います。
すくなくとも政治家たちが、
そのように考えているのは間違いありません。
その行きつく先は財政のさらなる悪化ですが、
いまのところ結果として起きうる財政の破綻を、
国民が覚悟しているようにはみえません。
結果的に国民が選択しているのは第二の選択肢、
つまりジワジワ進む円安という衰退なのだと思います。
であれば、
私たちはその結果に責任を負わなければなりません。
では今回はこのへんで。
(2025年7月3日)
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