プラチナに注目

僕はこのメルマガの年頭で、
ここ数年ほぼ毎年のようにプラチナを推してきました。

金と同じく現物資産としての性格を持っていながら、
同時に産業用途も持っている・・・、

プラチナのこの特殊な性格が、
相場を予想しづらくしてきました。

今年、年初時点の金価格が1オンス2600ドルあたり、
これに対しプラチナのそれは950ドルほどにすぎませんでした。

もしプラチナを純粋な現物資産としてみるならば、
この価格差を説明するのは困難です。

なぜなら希少性という観点で見れば、
プラチナのほうがよほどレアだからです。

プラチナの地上在庫の総量は100トンほど(2024年末時点)、
これに対し金のそれは22万トン(同)ほどです。

地上にあるプラチナと金を比べると、
プラチナは金の1/2000ほどしかないことがわかります。

一年あたりの採掘量をみても、金の4000トンにたいし、
プラチナは200トンほどしかありません。

現物資産の価値は100%希少性で決まるわけではありませんが、
一つの大きな要素だといっていいでしょう。

にもかかわらず、より希少性の高いプラチナが、
なぜ金の半分以下の値で買えるのか・・・。

その一つの理由は、
冒頭のようにプラチナが産業用途をもっており、
そのときどきの需要の強弱によって相場が振れるからです。

ではそのような観点で近年のプラチナを振り返ってみましょう。

そのむかしプラチナは金より高価な金属でした、
それが今のように金>プラチナとして定着したのは、
ほんのここ10年ほどのことです。

ぼくなんかプラチナが高かった時代を長く生きてきたので、
いまだにプラチナ信仰のような気持ちが残っています。

それがです、

2015年以降をみるとプラチナが1オンス=900ドルほどが定位置になる一方で、
金は1000ドル前後から3300ドル前後と3倍以上に値上がりしています。

上のように希少性だけをみれば、
プラチナは金を上回る上昇になっていて不思議はないのですが、
問題は産業用途のほうです。

特にプラチナは4割以上がガソリン車の触媒用途で、
ガソリン車の売れ行き予想によって相場が大きく動きます。

ここ10年というもの、
環境負荷という点でガソリン車が悪者になり、
プラチナの需要に対して否定的な見方が台頭したのが大きかったと思います。

現在では過剰なEV信仰が訂正されつつあると言っていいでしょう。

相場のほうも遅ればせながら、
このような産業用途の変調(いい方向での)を織り込みはじめ、
今年4月からプラチナは急騰しています。

具体的には4月時点の1オンス=1000ドル前後から、
現在は同1400ドル前後まで上げてきました。

さて問題はこれからです。

これからプラチナはどのような値動きをするのでしょう。

この予想には以下のような視点が必要だと思います。

  1. ガソリン車の需要動向(はたしてどこまでEVに乗り替わるか)。
  2. 現物資産としてみた場合、金から割安感の強いプラチナへのシフトが進むのか。
  3. 慣性の法則から解放された投資マネーは、どの程度の勢いでプラチナ買いを進めるか。

少し長くなってきましたので続きは次回お話しします。

 

では今回はこのへんで。

(2025年7月17日)




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