■株の世界は「一寸先は闇」
みなさんこんにちは。
かれこれ僕は株式投資を45年ほどやってきましたが、
経験を積むほど株の世界は「一寸先は闇」だと感じるようになりました。
たとえば今年4月のトランプ関税ショックです。
発表直後、日経平均は一時32,000円割れまで下げました、
その直前の水準は38,000円台だったので、
わずか数日で20%ほどの下落です。
トランプ関税が発表された4月3日、
僕はこのメルマガでこんなことを書きました。
*** 以下、4月3日の当メルマガより引用
『アメリカの対日関税が24%に上がったとして、
それがどんな時間軸で日本経済に影響を与えるのか。
どのような業種でどの程度の悪影響が出てくるのか。
これほど多くの品目に高い関税をかけられた経験がないだけに、
その影響もまた想定不能だと思います。
それだけに、
いまおきている株価の反応は当然だと思います。
日本株はいったいどこまで下がるのか・・・、
その点はすでに理屈を超え、
すでに「恐怖心と欲」の領域に入っていると思います。
ただし、
それは目先のお話です。
アメリカの相互関税によって影響が出たとしても、
EUやカナダがどんな報復関税をかけたとしても、
いずれ世界経済は、
それらを前提にした新しい生態系を築くでしょう。
そしてそのなかで生きる個別の会社は、
そのなかで生きる術(すべ)を見つけるはずです。
よく考えてみると、
そもそも、あちこちの国がどんな関税を掛けようとも、
その国の中で生きているのは私たち一人ひとり、
生身の人間です。
そしてその一人ひとりの人間の生活水準が落ちないならば、
その集合体である経済の規模も同様のはずです。
国による損得や、
会社によって有利不利があるでしょうが、
私たちは一つの国に資金を集めているわけではありませんし、
一つの会社だけに投資しているわけでもありません。
今回のトランプ関税の影響の見極めが進めば、
いずれ株価は本来の居場所に向かって動き始めるでしょう。』
***
以上引用でした、
こんなお話しをここで持ち出すのは別に自慢したいからではありません。
そうではなく日頃の分散がいかに大切か、
あらためて自分自身を戒めるためです。
持ち株の価値が数日で20%も下げるのをみて、
その一部、あるいは全部を売ってしまったひとも多かったのではないでしょう。
外的なショックに対する人の行動は大概おなじ方向ですから、
人より早く売って損失を回避するのは至難です。
むしろ底値で売って損失を確定させてしまう場合が多いように感じます。
では、
そんなショックに対処するために、
私たちは日ごろからできる準備はあるのでしょうか。
長年、株式投資をやってきましたが、
僕は日頃の資産分散に尽きると思います。
かりに株とほかの資産を半々でもっていたとしたらどうでしょう。
この場合、資産の半分を占める株式資金が半分になったところで、
資産全体の損失は25%で済みます。
そんな分散を実践すると同時に、
「資産の25%を失う可能性は常にある」と覚悟しておくことも大切だと思います。
その場合、本当に株価が半分になったところで、
それは来るべきことがやってきたというだけのお話で、
持ち株を売るという発想にはなりません。
そればかりか、ほかの資産を売って株を買い増すという、
リバランスの好機と前向きに考えることもできます。
冒頭のように、株式投資は「一寸先は闇」の世界です。
今のように株価が好調で、
比較的平穏なときこそ資産の適切な分散を進めておくべきだと思います。
では今回はこのへんで。
(2025年8月1日)
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