■適度なインフレは好ましい
みなさんこんにちは。
どうもテレビの報道はゆがんでいると思います。
いろんなところで歪みを感じますが、
最近気になるのはインフレに対する報道です。
報道という言葉に値するのか?とさえ思うような偏った内容が多すぎます。
スーパーの店頭などでシニアにインタビューし、「卵が高すぎる」、「野菜が値上がりした」、
「牛乳が飲めない」・・・、そんな定番のやり取りのあと司会者は決まってこう言います、
「長引くインフレで庶民の生活は苦しさを増しています、いったいいつまでこの物価高は続くのでしょうか」
たしかに年金暮らしのシニアで十分な資産がない人にとって、
インフレはつらい現象だと思います。
年金はある程度まで物価に連動しますが、
完全に連動するわけではないからです。
資産が十分ある人はさほど問題はありませんが、
日々かつかつの生活をしている人にとって、
たしかにインフレは深刻な問題です。
でも物事にはオモテがあればウラもあります。
日本全体でみれば果たしてインフレは悪いことなのでしょうか、
もちろん年率5%、6%といった高インフレは良くありません、
でも2%、3%といった緩やかなインフレは悪いことばかりではありません。
例えば企業です。
デフレ時代は一般に金利も低く、
利払いに追われつつ頑張って競争力のある商品やサービスを開発しなくても、
生き延びられた会社も多かったのではないでしょうか。
仕入れ額や人件費も上がりませんから、
今まで通りの経営で何とかやってゆけたという面もあったと思います。
家計はどうだったでしょうか。
デフレ時代はがんばって運用しなくても、
ただ金庫や銀行におカネを置いておくだけで、
実質的な資産の価値は高まります。
リスクを冒して株を買う必要もありませんし、
ベンチャー企業へのおカネも目詰まり気味でした。
社会全体がリスクを遠ざけて生きる、
いわばぬるま湯状態にあったといえるでしょう。
インフレ時代にはこんな「ぬるま湯行動」は許されません。
たとえば定期預金です、銀行に預ける1年定期預金の金利が税引き後0.8%にあがっても、
インフレ率3.1%なら実質金利は−2.3%です。
・0.8%−3.1%=▲2.3%
インフレに勝とうとすれば、おのずと株式投資の比率をあげざるをえません、
そんな個人マネーは証券市場を経由して上場株や非上場株に流れこみます、
会社側はそのリスクマネーを活用し、新しい商品やサービスの開発に努めることになります。
インフレ時代は人材獲得も企業の生命線になります、
新しい商品やサービスの開発は優秀な人材あってこそ、
優秀な人材を獲得するためにはお給料をあげなくてはなりません。
いまはインフレ時代への過渡期なので、
まだ賃上げが物価の上昇に追いついていませんが、
インフレが定着すれば、
物価の上昇を上回ってお給料は上がってゆくでしょう。
こうやって日本の経済は明るい方向に循環してゆくはずです。
その結果、法人税や所得税の税収が増え、
社会的な弱者に対する救済にも、
政府はもっとおカネを回すことができるはずです。
私たち生活者にとってインフレは厳しい面がありますが、
日本全体が沈んでゆくデフレ時代よりよほど好ましいと思います。
マスコミはインフレの弊害ばかりを煽らずに、
このような面もちゃんと報道してもらいたいものです。
では今回はこのへんで。
(2025年8月27日)
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