実物資産投資に出口はあるか

みなさんこんにちは。

よく「あらゆる投資には出口がある」と言われます。

投資というものの本質がおカネ儲けにあるならば、
たしかにこの考えは正しいと思います。

なぜなら最後はおカネに換えることによって、
はじめて儲けが実現するからです。

たとえば私たちが株式投資をする場合はどうでしょう。

株は上下動が激しいですし、地域の紛争や戦争などによって急落することもあります。
逆に経済的な好環境に恵まれて驚くほど値を上げることもあります。

これに対して実物資産はどうでしょう。

実物資産も世界の景気や金融ショックなど、
環境の変化によって大きく値動きすることがありますが、
少なくとも株や債券などと違った動きをしやすいといえるでしょう。

実物資産投資の目的は人それぞれですが、
一般的に私たちが現物資産に求めるのは安定した値動きと、
株や債券、現預金などペーパーアセット(=紙の資産)への偏りを避けるため、

言い換えれば「資産の質的な分散」ではないでしょうか。

ではさらに一歩すすめて、
資産の質的な分散を目的とした保有に出口は必要なのでしょうか。

たとえば経済危機や紛争や戦争、
財政破綻などはいつやってくるか予想できません。

つまり私たちは一寸先の世界で生きているといえるでしょう。

であれば私たちは常に一定の現物資産を保有しなくてはならないはずです。

もし皆さんがいったん手持ちの現物を売ったとしても、
その売却によって比率が下がったぶん、むしろハラハラ感は大きくなり、
逆にそれだけ実物資産投資の必要性は高まるはずです。

そしてみなさんは実物資産を買い戻すことになるでしょう。

もしこのように考えるなら、「実物資産投資に出口はない」と言えます。

不動産を持っていた人は再び不動産を買いなおし、
金やプラチナを持っていた人は金やプラチナを買い戻し、
コインを持っていた人はコインを買い戻すことになるはずです。

でもここで注意が必要なのはコストです。

不動産であれ、貴金属であれ、コインであれ、
現物資産の売買手数料は株や債券に比べて高く、
売買を繰り返すことによっておカネは外に流出します。

ただし、
どんな場合でも現物資産を売ってはいけないというわけではありません。

一つ目の例外はライフプランが変わり、
資産の一部を換金せざるをえなくなる場合です。

もう一つコインの売却を迫られるのは、
日々の収支バランスが想定より悪化し手元のおカネが足りなくなるケースです。

そして三つ目は現物資産が物理的に変質してしまう場合で、
不動産の場合はこの点に留意しなくてはなりません。

このようにいくつかの例外はありますが、
基本的に現物資産投資はBuy and Holdでいいと僕は思っています。

 

では今回はこのへんで。

(2025年9月18日)




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