■AI株の今後と私たちの選択肢
みなさんこんにちは。
今でも僕は会社を辞め、
この事務所を作ったときのことを思い出します。
当時はまだ十分にITが普及してなくて、
やっと小さな事務所でもウエブサイトを作れたり、
メールでお客さんとやり取りできるようになったりして、
なんとか仕事ができるようになったばかりのころでした。
もし当時、ITやネットがなければ、
今の僕はなかったに違いありません。
僕のケースなどはほんの取るに足らない些細なものですが、
ITやネットの進歩によって、
それ以前の世の中と、それ以降の世の中は、
全く違ったものになったといっていいでしょう。
ITはそれだけ大きな変革だったと思います。
そのような観点で、
いま起きつつあるAIの進歩をみるとどうでしょう。
決して大げさではなく、
ITを上回る新技術だと僕は思います。
もしこの見方が正しかったならば、
株式市場、とくにAI株の行方はどうなるのでしょう。
この点について考える場合、
かつてのITバブルの例は参考になると思います。
ITバブルの生成は2000年、
そしてその崩壊は2002年、
この間の株式市場はいま振り返ってもすごかったです。
オラクルやシスコシステム、ヤフーなど関連銘柄のPERは、
バブルの最盛期に100倍を超えましたし、
NASDQAの平均PERが70倍を超えた時期もありました。
NASDAQのピークは2000年1月の5,132、
その崩壊によって2002年9月には1,108まで下げましたので、
この間およそ80%の下落でした。
この下落率はリーマン・ショックを軽く上回ります。
でもここで一つ留意しておきたいことがあります。
上のように関連株は暴落しましたが、
ITそのものが「一時のブーム」だったわけではないという点です。
むしろその後、ITは私たちの生活になくてはならないものになりましたし、
冒頭のように僕の事務所が今あるのもITのおかげです。
バブル崩壊後の株価もこれを裏付けており、
NASDAQ全体では、ITバブルのピーク5,132に対し、
現在は22,800あたりです。
個別株をみると、
シスコシステムのように、いまだバブル時のピークを奪回できていない銘柄もありますが、
IT株全体でみるとバブル時の水準を大幅に上回っているのです
ではこれからAI株はどう動くのでしょう。
上のように僕は、AIはITに匹敵すると思いますし、
もしかしたらもっと大きな変革を呼ぶ可能性があると思います。
株価もそれを反映しつつ動く可能性が高いと思いますが、
一直線にあがるとは思いません。
前回のITバブル同様、AI相場もバブルとその崩壊を経験しつつ、
上がってゆくのではないでしょうか。
一方で現在の水準はどうでしょう、
現在の有力AI株の来期予想PERをみると概ね20-35倍程度ですから、
バブルと呼ぶには早すぎると思います。
でもこれから要注意だと思います。
これからさらに株価の上昇はスピードアップし、
業績拡大を超えるペースで株価は上がるとおもいます。
もしそうなら、その先に待っているのはAI株バブルの崩壊です。
そういえばむかしある銀行のCEOがこのように言いました。
「音楽が鳴っている間はダンスを続けなければならない」
このCEOがリーマン・ショック前に自ら踊ったバブルを振り返り、
うえのような発言をした点は重要だと思います。
つまり人はバブルのさなかにいると、
なかなかバブルに気づけないということです。
果たして私たちはバブル化の前に、
AI相場から降りられるでしょうか。
人間の欲望は際限がなく、
バブル化の途中で降りるのは至難です。
どこかでパーティー会場を後にして家路につけるのか、
それとも皆と一緒に踊り続け、やがてバブルの崩壊に飲み込まれるのか。
途中で相場から降りるのは、
かなりの自制心が求めれるのは間違いありません。
もう一つの選択肢は、
かつてのITバブルのように、バブルが崩壊しても一時的で、
「本物は生き残る」と割り切って持ち続けるという選択です、
「AIなら何でもあり」のいま、
本物を見極めるのは簡単ではありませんが、
もしそれができれるなら踊り続けるという選択もあります。
でも、僕は「途中で降りる派」ですが・・・。
では今回はこのへんで。
(2025年10月14日)
■このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。
「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
|