■AI株はバブルか.PER編
みなさんこんにちは。
「AI関連株はバブル的状況なのか」
この点について何度かこのメルマガでとりあげてきましたが、
この問題は何度とりあげてもいいと僕は思います。
振り返れば2000年にアメリカで起きたITバブル。
当時のNASDAQ指数はMax5132からわずか2年で1108まで下げています、
インデックスがこれなので個別株ならもっと大きな被害を受けたでしょう。
当時アメリカ株への投資は今ほど盛んではなく、
私たち日本人の被害はさほどではありませんでした。
でもいまは違います。
個人の多くは直接もしくは間接的にアメリカ株を持っており、
万一ITバブル崩壊が再現されると被害は甚大です。
でもバブルというのは、その中にどっぷりつかっていると認識が難しく、
その行きつく先はみんな一緒に転落です。
その意味で私たちは、よほどの注意力をもってAI市場を
見ておかなくてはなりません。
ではお話しを戻し、
今のAI株はバブル的な状態なのでしょうか。
結論から言えば、
いまのところまだバブルではないと僕は思います。
その根拠の一つ目は、AI関連株や半導体関連のPERです。
以下アメリカを代表するAI関連株の予想PERです、
予想PERは今期の予想利益をベースに計算しています。
エヌビディア 約40.8倍(+47.9%)
マイクロソフト 約33.1倍(+14.0%)
メタ 約25.1倍(+16.4%)
アマゾン 約32.4倍(+21.1%)
アルファベット 約24.7倍(+20.4%)
ブロードコム 約81.5倍(3.38倍)
マイクロンテクノロジー 約11.4倍(2.16倍)
注)( )内数字は今期の予想増益率です
代表的な銘柄を7つほど挙げましたが、
アメリカを代表するAI銘柄という点で、
一番わかりやすいのはエヌビディアかもしれません。
上のように同社の今期予想利益をベースに計算したPERは約41倍です、
この数字は決して低くはありませんが、バブルか否かという視点で見ればどうでしょう。
予想増益率が48%に達するという点を加味して考えると、
バブルと呼ぶには少し早いと僕は思います。
ほかの銘柄を見ても同様で、
予想増益率と合わせて考えれば、
バブル的な領域ではないと思います。
ご参考までにNASDAQ銘柄の平均をみると、足元の予想PERは約28倍です、
過去の平均的な値が23倍ほどと言われていますので、それと比べると少し高いですが、
たとえばITバブルのピーク時には70倍を超えた時期もありました。
このようにPERから考えると、
現在の水準は高めではあるものの、
バブル的水準にはまだなっていないと思います。
ただし冒頭申し上げたように、
バブルの中に居るとバブルに気づくことは困難です。
たとえばここまでバブルの判断材料にしてきた「予想PER」には注意が必要です。
予想PERは実績ではなく、今後の予想利益をベースに計算されます、
もしその「予想利益」が過大に評価されていたとしたらどうでしょう。
これは「予想利益」の中にバブル的要素が入り込んでいる状態で、
この場合「予想PER」が適正範囲であっても、
バブル化がこっそり進行している可能性があります。
では私たちは何を根拠に「バブルか否か」を判断すればいいのでしょう。
少し長くなってきたので「前半のPER編」はこのあたりでおきたいと思います、
次週は「後編/バブルの肌触り編」です。
では今回はこのへんで。
(2025年10月16日)
■このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。
「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
|