姿を消すコインと富の近未来

みなさんこんにちは。

けさの日経に『さらばペニー』という表題の記事が出ていました、
記事によるとアメリカ造幣局は11/12にペニー硬貨の発行を停止したとのことです。

僕はペニーを集めていたことがありますので、
なんだか寂しい気持ちになりました。

ちなみにペニーというのは1セント硬貨のことで材質は主に亜鉛です、
1ペニーは1/100ドルですから今の為替レートで計算するなら1円50銭ほどです。

ペニーを廃止する理由は主に二つあり、一つ目は製造コストの高騰です、
近年の非鉄金属相場の高騰でペニー1枚作るのに2セント以上かかるそうです。

二つ目の理由はキャッシュレス化の進行です、
アメリカではすでに80%以上の決済がキャッシュレスになっているそうで、
特に小銭のニーズは小さくなっているのでしょう。

アメリカではじめてペニー硬貨が発行されたのは1793年ですから、
それ以降230年も続いたペニー時代が終わったわけです。

200年以上に及ぶペニーの歴史を振り返ると、
僕などはコインの行く末についてあれこれ考えてしまいます。

先ほどのようにアメリカの現金決済は20%を切っていますが、
近い将来ペニーだけでなくすべてのコインは無用になると思います。

人間が初めてコインを作ったのは紀元前600年前後と言われていますので、
2600年ほども私たちはコインを使い続けてきたことになります。

そのコイン以外の交換手段、いいかえればキャッシュレス決済を始めたのは、
いつ頃だったでしょう。

1950年に始まったクレジットカードが最初だといわれますが、
それから驚くほどの速度でキャッシュレス化は進んでいます。

もし向こう10年で完全キャッシュレスになるとすればどうでしょう。

私たちは延々2600年ほども使い続けてきたコインを、
わずかこの100年ほどの短期間でデジタルに置き換えることになります。

こんなふうに考えるとそのスピード感に驚きますし、
おカネの近未来についても考え込んでしまいます。

そんな世界ではコインやお札という概念はなくなり、
ネット上に記録されたデータがおカネのすべてです。

株もデータ、債券もデータ、現預金もデータ・・・、
ゼロが一つ多いだけで人生が左右される世界です。

そんな無味乾燥な世界で私たちが持てるデータ以外の資産は何でしょう。

それはつまるところ不動産や貴金属など現物資産に限定されるはずで、
その点において現物を持つ意味は今よりもっと大きくなるような気がしています。

 

では今回はこのへんで。

(2025年11月14日)




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