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■新興国株をどう組み入れるか(その3)

2.さらに余力があれば地域限定型ETFを購入する

上記のように「新興国株分散型ETF」が基本だと思いますが、さらに投資余力がある方、あるいは特定の地域(あるいは国)の経済に対し“目利き“が出来る方は、前記の新興国株分散型ETFという建屋のいわば一階部分に対し、さらにニ階部分として「地域株限定型ETF」を組み合わせてみても面白いでしょう。なかでも私は現在のこところ、下記の3つの地域を特に注目しています。

  1. 中国
  2. ASEAN
  3. ブラジル

中国は何と言っても21世紀のスーパー・パワーです、確かに政治的なリスクは無視できませんが、この国の株を保有することは私たち日本人にとって、中国の経済成長と自らの資産のベクトルを一致させるという意味で大変意義深いことだと思います。今後長期的にみて、我が国の相対的経済力は徐々に低下してゆくことは避けられないでしょう、しかしこのような高成長国に自らの資産のベクトルを一致させることにより、個人レベルでみた地盤沈下を防ぐとは可能です。第二に私はASEANに注目しています、この地域の魅力は何と言っても人的資源の豊富さです、ASEAS諸国の人口は、2010年推計で約6億人と現在ではEU圏や北米圏を上回る人口圏を形成していますが、今後この地域の人口は急速な増加が見込まれています。さらに注目すべきはこの地域の人口構成でしょう、現在のところ圧倒的に若年層中心の構成となっており、今後長期間にわたって高い経済成長を持続する可能性があります。さらに歴史的にこの地域は中国との結びつきが強く、今後の中国の経済成長もASEAN諸国にとって追い風になることでしょう。三番目に私が注目するのはブラジルです、ブラジルと聞けば農産物や天然資源を連想される方がおおいでしょうが、同国の強みはそれだけではありません。最近では自動車や小型航空機、鉄鋼など工業製品の生産においても徐々に力をつけてきていますし、近年では中間所得層が増え、内需も力強く拡大しつつあります。内需と輸出のバランス、新興中間層の拡大や豊富な天然資源など、ブラジルもまた今後長期にわたって経済成長が期待できる地域の一つに挙げてよいのではないでしょうか。

そのような観点で具体的な投資対象について考えますと、以下のような銘柄を挙げることができます。

□東京証券取引所上場銘柄
2-1.上場インデックスファンド中国A株 CSI300(東証コード:1322)
2-2.NEXT FUNDSブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信(東証コード:1325)

□NY証券取引所上場銘柄
2-3.i Shares MSCI Hong Kong Index Fund
2-4.i Shares MSCI Brazil Index Fund
2-5.SPDR S&P Emerging Asia Pacific ETF
2-6.SPDR S&P Emerging Latin America ETF

なお、2-1、2-2は東証に上場されていますので、国内証券会社経由で購入可能です。特にこのような東証上場(大証上場も含め)銘柄は、一般の日本株と同じ要領で指し値、成り行き等リアルタイムで購入できますので大変便利です、ただ残念ながら銘柄はまだまだ少ないですが・・・これに対し2-3、2-4は国内証券市場に上場された銘柄ではありません、これら銘柄については楽天証券やマネックス証券など、いわゆるネット系証券会社経由でニューショーク市場にアクセスし購入することができます。また現在のところ2-5、2-6はネット系証券会社の購入可能銘柄には入っていないようですので、購入の際には海外の証券会社等に口座を開設する必要があります。


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