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2015年型ポートフォリオを考える

少し遅くなりましたが、今年もご愛読どうぞよろしく
お願いいたします。

新年早々風邪をひいてしまい、初回配信が一週間ほど
遅くなってしまいました、誠に申し訳ございませんでした。

さて今回は年初恒例の相場予想をお伝えしたいと思います。

内容は

1.今年の世界経済の注目点
2.地域別経済の予想
3.各種相場の流れと投資スタンス
4.2015年型ポートフォリオ

です、今回も相変わらず長くなりそうな予感がしております、
お時間無い方は1と2を読み飛ばして頂き、3からお読み
頂いて結構です。具体的な推奨資産構成は4でいたします。

ではまず今年の世界経済について予想してみたいと思います。

1.今年の世界経済の注目点

今年の世界経済について一言で申しあげるなら、
世界全体としては昨年に比べやや改善の方向ではないかと
思います。

いくつかの要因について、整理しておきたいと思います。

□米国の金融政策

まずは昨年停止したQEの影響から。

昨年10月にFRBはQEを停止しましたが、市場に供給された
マネーを吸収することはありませんでした。つまりFRBは手持ちの
国債や社債を償還まで持ち切るということです。

これはどういうことかと言いますと、あいかわらず
市場にはマネー過多の状態が続き、それらがいろいろな
投資機会を探して動めきやすい状態が、今年も続くと
考えてよいでしょう。

二つ目は今年あると予想される、利上げの影響です。

原油相場も急には反転するとは思えず、今年は世界的に
みて低インフレ状態が続くのではないでしょうか。

米国でもこの傾向はみられ、今年を通してみても
FRBが重視する物価や賃金は、なかなか上がらないでしょう。

このようなことから私は一般の予想より利上げはやや遅れ、
秋以降とみておりますし、その後の上げ幅や間隔も、
また緩やかなものにならざるをえないのではないでしょうか。

利上げはもちろん景気には負の影響を与えますが、このような
ことから米国経済に与える影響は、さほど大きくはないと思います。

□原油相場

昨年後半以来、急ピッチで原油安が進んでいますね、
昨日などは1オンス=40ドル台の半ばまで下げ、
リーマン・ショック後の最安値が迫ってまいりました。

この急落によって、世界経済のアチコチに負荷がかかって
いることは間違いなく、例えば為替相場や株式相場から、
不気味な軋み音が聞こえるようになってきました。

もちろん急な相場変動は好ましくはありませんが、このように
急激な下落相場が永遠に続くわけではありません、すでにいくつかの
産油国では、採算コストを大きく割れておりますし、米国の
シェール・オイルの採算もとりづらくなっているようです。

例え今のような低水準であれ、相場が安定しさえすれば
原油相場が世界経済に大きなマイナスの影響を及ぼすことは、
ないでしょう。

むしろ原油相場の低位安定は、(主に先進国である)原油の消費国
から、産油国への富の流出を抑制する方向に作用しますので、
世界経済全体を見た場合、プラスの影響とみておくべき
ではないでしょうか。

原油相場が低位で安定した場合、日本、欧州、中国、東南アジア、
米国など幅広い国や地域の経済が恩恵を受けることになるでしょう。

□欧州で働く遠心力

通貨統一の実験は失敗するのか・・・

今年もまたこの問題が蒸し返されようとしています。

そもそも国民性や価値観において、これほどまでに
距離がある多くの国々が、究極的には統一国家をめざすほど、
ヒトは成熟できていないのかもしれません。

ただし経済という観点で見た場合どうでしょうか。

既に2011年や2012年当時とは事情が違っております、
例え十分ではないにしろ、欧州では経済安定化基金が準備
されておりますし、昨年のストレステストを終え、金融システムも
徐々に安定を取り戻しつつあるといってよいでしょう。

私には現在の欧州の金融システムが、連鎖的な債務危機に陥るほど、
脆弱な状態にあるとは思えません。

たとえギリシャがユーロを捨てドラクマに戻ったところで、
欧州経済は冷静に受け止めることができるのではないでしょうか。

□新興国における突発性のリスク

一方で気になるのは、今年も一つ二つの国で、突発的な
危機が起きる可能性です。

もし年を通して今の原油相場の水準が続けばどうでしょうか、
今のところロシアの外貨準備は潤沢ですが、当局はいつまで
ルーブルを買い続けられるのでしょうか、外貨準備が枯渇する懸念は、
いずれ出てくるはずです。

ベネズエラには随分とお隣の中国が肩入れしているようですが、
同国の原油の採算ラインは高く、果たしていつまで中国は
支えるのでしょうか・・・

昨年の年初問題になったアルゼンチンと、米ファンドの
係争が決着したという話も、残念ながらまだ聞こえてきません。

このような国の一つで危機が発生した場合、同様のぜい弱性を
持つ国々に危機が連鎖し、世界的にリスクマネーの
巻き戻しが起きる場面があっても不思議はありません。

新興国全体でみれば、このようなリスクのレベルは下がって
きているように思いますが、上記3国は注意してみておきたいと
思います。

2.地域別経済の予想

□米国

年央から秋にかけ予想される利上げに対し、市場は警戒心を
高めているようですが、実体経済に目を転じれば、米国経済の
力強さは際立っています。

ガソリン価格の下落や、株価上昇による資産効果など、
個人消費にとって好ましい環境が続くとみられ、米国の消費は
今年も堅調に拡大するとみております。

原油安によってエネルギー関連企業は逆風を受けていますが、
経済全体でみれば原油価格の下落はプラスでしょう、個人消費の
拡大も期待でき、米国の企業業績は今年も一けた台後半の増益に
なると期待しております。

□欧州

昨年11月度の欧州インフレ率は−0.2%となり、いよいよ
水面下に沈みました、デフレの定義は「継続的な物価下落」ですので、
これをもって即デフレ入りとは言えませんが、それでも事態はより
深刻化していることは間違いないでしょう。

しかも原油価格の下落による物価引下げ効果は、
12月以降も続きます。

既にECB(欧州中央銀行)によるQEは、「やるか否か」という段階を
越え、「いつ、どの程度の規模で行うか」という段階に入って
いるのではないでしょうか。

以前からドラギ総裁は1兆ユーロ(約140兆円)程度の資産買入れを
主張していますが、仮にこの規模で行われたとすれば、ECBによる
資金供給量の規模は、日銀のそれを大幅に上回り、米FRBによる
QE3に迫るモノになります。

QEの効果について疑問を持つ方もおいでですが、
私はそうは思いません、「景気は気から」・・・生活者の
デフレマインドを払しょくし、好循環につなげる良いきっかけになる
ことは間違いなく、それは我が国や米国の前例をみても明らかです。

ただし欧州の場合現状が悪すぎますし、ギリシャのユーロ離脱の
可能性も捨てきれません・・・QEの実施は景気の押し上げ要因では
ありますが、それを踏まえても0%台後半の成長がせいぜいでは
ないでしょうか。つまり0.7%とか、0.8%といったイメージです。

□日本

今年の日本経済は比較的好材料に恵まれている
ように思います。

円安効果は単年度でお終い・・・このようにお考えの方も
多いようですが、私はそうは思いません、仮にドル円相場が
現在の水準で固定されたとしても、時間の経過とともに顕在化する
効果もあるはずです。企業は継続的な余裕があって、初めて人材や
設備、研究開発に対する投資を増やせるという面もありますので。

さらに来期は原油安も加わりますので、企業業績は
拡大するでしょう。

今期(2015年3月期)は8%程度の増益とみられているようですが、
来期(2016年3月期)はさらに拡大し、10%台前半の増益を
期待してよいのではないかと思います。

これに対し個人消費のほうはどうでしょう。

昨年の消費税増税以降、個人消費がなかなか伸びて参りませんが、
今年は企業業績の拡大が、賃金の上昇に結びつきやすくなる
のではないでしょうか。

さらに4月以降は消費税増税の負の効果が無くなりますので、
サラリーマンもようやく景気の回復を実感できるように
なるはずです。

夏場以降は消費の拡大が企業業績を押し上げ、それが
また賃金の上昇を通して消費を支える・・・このような
好循環に入ると期待しております。

□新興国

中国について、毎年のようにハードランディングを心配
される方がおいでですが、私はあまり気にしていません。

共産党による一党支配。その気になったら何でもできる
お国柄です、少なくとも13億国民の支持を得ているあいだは・・・

今年の成長目標は、昨年までの7.5%から下げ7.0%にすると
見られていますが、今年も小粒の景気対策を小出しにし、
7%程度の「ちょうどいい湯加減」を目指すことに
なるでしょう。

アジアではインドとASEANに期待したいと思います、
やや強引なところもあるようですが、昨年就任したモディ新首相の
政策は、ながらく中国の後塵を拝してきた同国を、少なくとも
その成長の速度において一変させる可能性を秘めているように
思います。ASEANとともに原油安効果も見逃せません。

この地域の経済は昨年以上の成長を予想しております。

一方で原油依存度の高い国、冒頭申しましたがロシアや
中東、一部の産油アフリカ諸国、中南米の産油国・・・
このあたりには懸念を持たざるをえません、場合によっては
一つ二つの国でデフォルトを覚悟しておきたいと思います、
その際に相場への影響は後段でふれさせて頂きます。

では上記のようなことをふまえ、相場はどのように動くの
でしょうか。引き続きこの点について考えてみたいと思います。

3.各種相場の流れと投資スタンス

□株式

上記のように、私は今年の世界経済に対し総じて強気で
見ております。ただしそれが株価に素直に反映される
とは考えておりません。特に気になるのは相場の振動で、年の前半は
米国の利上げ懸念から、短期的な振れ幅は大きくなると見ております。

また原油相場の急落から、すでに株価は不安定モードに入りつつ
ありますが、仮にその不安が現実のものになり、例えば産油国の
経済不安が顕在化した場合、相場は一時的に急落・・・新興国
に限らず、そもそも原油安の好影響を受けやすい我が国や米国ですら、
大きく売られる場面があると覚悟しておくべきでしょう。

以下簡単に地域別に

・米国株

2015年12月期の米国企業は、8%前後の増益となる可能性が
高いと思います、米国株の平均PERは16倍前後と妥当な水準に
あり、今年は上記増益率程度の株価上昇はあっていいと思います、
ただし利上げや原油安から相場の振動は、特に年のはじめ大きく
なるとみております。

・欧州株

QE実施を前提に、特にドイツや北欧諸国の株は大きく上昇する
可能性が高いと思います。ただしウクライナ問題や原油安から
不安定化するロシア経済への影響には要注意、下げたところでカイ
のスタンスをお勧めいたします。

・日本株

来期(2016年3月期)の企業業績の拡大に期待したいと思います、
仮に12%の増益になれば、日本株の平均EPS(一株当たり利益)は
1230円程度まで増えます、PERが16倍だとすれば高値のめどは、
日経平均19700円といったところではないでしょうか。

・新興国株

総じて楽観してはおりますが、今年は昨年以上に地域差が
大きくなると思います、上記のようにインドやASEAN諸国株には
期待していますが、それ以外の地域は少し心配です。戦術としては
新興国分散型のETFへの新規マネーの投入は避けたいと思います、
代わってインド株、ASEAN株など地域限定ETFをお勧めします、
既に新興国分散型ETFをお持ちの方も、新興国株の中での銘柄
入れ替えをご検討ください。

□国際商品

既にCRB指数は220に接近しており、これはリーマン・ショック直後
の低水準です、もちろん主因は原油はじめエネルギー価格にありますが、
例えば非鉄金属、貴金属、農産物なども低迷しているといって
よいでしょう。

では今年はどうなのでしょうか。

原油相場は既にリーマンショック直後の安値水準に接近して
おり、いくつかの国では採算割れ現象が起きているようです、
私は今の相場は行き過ぎで、数か月先には60ドル程度までの
回復があっていいと思います、そのような観点で原油の買いは
面白いのではないでしょうか。

貴金属も面白いと思いますよ、特にプラチナ。欧州がQEを
決めるなら、短期投資ですら勝算はあるでしょう、パラジウムも
この場合つれ高が期待できます、昨年のパラジウムは3年連続の
供給不足に終わったようですが、すでに供給能力は限界に達して
おります、ここのところ値動きが地味になっていますが、えてして
このようなときが仕込みのチャンスだったということはよくあります、
プラチナ同様面白い投資だと思います。

金をお買いになるなら現物による長期投資をお勧めいたします、
採掘コストすれすれの今は、買い増しのチャンスではない
でしょうか、今年も年間を通して1200ドル割れをめどに
少しずつ買い増されるとよいでしょう。

これに対し非鉄金属には期待しておりません、最大の消費国中国が
この状況ですから、今年もまたガマンの一年が続くでしょう。

穀物には期待しています、昨年の北半球は好天に恵まれ、特に
米国におけるトウモロコシは史上最大の豊作という結果でした。

今年はどうなのでしょうか。

2年連続の豊作なのか、それとも・・・神のみぞ知る領域では
ありますが、仮に読みが外れて豊作になったとしても、
相場は既に随分安値圏にあります、ここから落ちてもケガは
知れているという割り切りがあって良いのではないでしょうか。

気象庁は昨年11月「エルニーニョが発生したと思われる」との
発表を致しました。

□債券

振り返ってみれば昨年は一本調子の上昇相場でした、
ここまで相場が上昇したのは、中央銀行という明確な買い手が
いたこと、さらには世界には巨額の資本を要する成長領域が、
少なくなってしまったからではないでしょうか。

米国はQEから卒業しましたが、我が国や欧州ではこれからが
本番です、つまり国債の買い手としての中央銀行は今年も
顕在ということではないでしょうか。

ただしすでに国債の金利は未踏の領域まで下がって(国債相場は
上昇)おり、我が国や欧州の一部ではマイナス金利という異常
な状況が生まれています、従ってここからさらに債券が買われ
続けることはないでしょう、逆になにかのきっかけで、この
債券バブルが破裂するリスクも多少頭にいれておきたいと思います。

このようなことから、今年も私は債券を推奨するつもりは
ありません。

□その他資産(オルタナティブ)

今年に限ったことではありませんが、リーマン・ショック以降
繰り返されてきた、各国中央銀行によるQEによって、世界の
マネーと実体経済のアンバランス状態は、ますます顕著になり
つつあるように思います。

私たち個人投資家にとって、質的分散と地理的分散の重要性は、
ますます高まってきていることはまちがいないでしょう。

以下取り上げるヘッジファンド、不動産、貴金属、
クラシック・コインなどは、いずれもその他資産という地味な位置づけ
ではありますが、このような資産は上記のような質的分散や地理的分散を
実現するため、非常に重要な役割を担っていることは言うまでもありません・

・ヘッジファンド

昨年は久々にマネージド・フューチャーズの当たり年で、
Cedit Swisseのヘッジファンド指数によれば、このカテゴリー
の平均収益率は16%を越えました(11月までの11ヶ月)。

多くのマネージド・フューチャーズにとって、原油価格の急落や、
ドルの独歩高、国債価格の緩やかな上昇は、極めて収益を得やすい
環境だったといえるでしょう。

では今年はどうでしょうか。

私は特に年の前半は、トレンド・フォロー型運用をとる
これらのファンドにとって、難しい時期になると思います、
一方で逆に、年の中盤から後半に掛け、相場の短期振動が
落ちつくなら、マネージド・フューチャーズの収益は回復に
向かうでしょう。

一年を通じてみれば、主要なプログラムで年間10%程度の収益を
得ることは、さほど難しくはないと思います。

ヘッジファンドに対し、今年は中立で臨みたいと思います。

・不動産

不動産は人が住んでナンボです、長期的な資産価値の維持、
あるいは上昇に期待するなら、人口密集エリア、しかもインフラが
整備されているエリアであることが条件になります。

アジアの諸都市でも条件に適合している都市はありますが、
シンガポールや香港は既にバブル的な水準にあると思います、
タイやインドネシア、フィリピンなどの主要都市は悪くはないと
思いますが、異なった習慣、法、宗教など諸事情を考えますと、
先進国の不動産とは一線を引いて考えておくべきでしょう。

一方で東京の不動産はアジアの諸都市に比べると、
まだ割安感があると思います。東京オリンピック後を心配される方も
おいでですが、ご存知のように東京は常に進化する都市です。

オリンピックは不動産にとって悪いお話しではありませんが、
オリンピック後も東京は魅力を維持、拡大できると思いますし、
またそうならなければ我が国の将来は暗いでしょう。

・クラシック・コイン

英国の大手コイン商Stanley Gibbons社がまとめたRare Coin Index
をみますと、2002年〜2012年の間のイギリスの、
レアコインの上昇率合計は+248.5%、複利ベースの年間上昇率は
13.3%となっています。

そもそもコイン収集家は、ファンドや株式の投資家と違い、
いったん手に入れば、よほどのことがない限り売りません、

上記インデックスをみますと、2008年リーマンショック時も
相場は上昇していますが、それは金融ショックで損失を受けた人種と
異なった人たちが購入しているからだと思います。

近年上記のようにイギリスのコインは随分上昇しましたが、
なにもイギリスに限ったことではありません、フランスやイタリア、
ブラジルやメキシコ、インドなどのコインも上昇しています、

あまりご存知のかたはいらっしゃいませんが、わが日本の
明治金貨もこの数年で勢いよく上昇しているのですよ。

世界的にみて、コインを長期で持ちたいと考える、
質の良いコレクターが徐々に増えているように感じております、
世界的にマネー過多の状態が進む中、現物資産としての
コインの価値は、今年もまた上昇が期待できるのでは
ないでしょうか。

今年もヨーロッパや南米、日本、アジアなどバランスよく
組み入れることをお勧めいたします。

4.2015年型ポートフォリオ

以上を踏まえ、最後に今年の推奨ポートフォリオについて、
まとめさせて頂きます。

毎年申し上げていますように、これは一つのサンプルで、
実際にはお一人お一人の経済状況やライフプランに
よって異なります、あくまで一つの投資のヒントとして
ご活用ください。

□2015年型ポートフォリオ

・先進国株(20%)

1.日本株ETF
2.欧州株(ドイツや北欧株)ETF
3.米国株ETF

・新興国株(10%)

1.ASEAN株ファンド
2.インド株ETF
3.フィリピン株ETF

・コモディティ関連資産(10%)

1.パラジウムETF
2.プラチナETF
3.穀物ETF
番外.原油ETF

・債券(0%)

・不動産系資産(35%)

1.日本不動産現物
2.日本REIT
3.米国不動産現物

・オルタナティブ(25%)

1.マネージド・フューチャーズ
2.収集用コイン(ヨーロッパ各国、中南米、アジア、日本)

全体的に今年は株やコモディティなど、サイクル性資産
のウエイトを10%下げ40%といたしました。

内訳は株式が30%、コモディティが10%です。

これに対し非サイクル資産(現物系資産およびオルタナティブ)
を10%引き上げ60%といたしました。

現物資産やオルタナテイブの比率を高めたのは、
繰り返しになりますが、世界的なマネー過剰状態に対する
不安からです。

では順を追ってご説明いたします、まず株式ですが、
今年は新興国株市場で起きる不安定な事態を想定し、新興国株を
昨年の20%から10%に大幅に下げました、投資対象は新興国
の中でも高い成長の維持が見込めるASEAN、インド、フィリピン
といった地域です。

これに対し先進国は20%と、逆に大幅に増やしました、
理由は上記の裏返しです、投資対象は原油安の好影響や円安効果など
材料豊富な日本株、次はQE実施とセットで上昇する北部欧州株、
米国株も一定の期待はしております。

コモディティに関しては、今年は10%の大幅下げで、10%の
配分とさせていただきました、組み入れ対象は(今年もしつこく)
パラとプラ、それに夏場の天候不順への期待から穀物です、
目先下落を覚悟の上、原油の反転狙いも面白いでしょう。

なお債券は今年もゼロです。

ここまでがサイクル性の資産で、合計は40%と今年はやや
安全運転を心がけたいと思います。

続いて「非サイクル資産」である、不動産とオルタナティブ
です。

まず不動産系資産に関しては、今年は昨年より5%増やし
35%とさせていただきました、不確実性の高まりを懸念し、
ここはやや多めにお持ちになることをお勧めいたします。

内訳は日米の現物不動産ですが、米国不動産はやや割高感が
でてきているように思います、そこで3番目とさせて頂きました、
REITを2番目にあげさせて頂きましたが、すでに理論価格から
随分と上方へのかい離が進んでおり、ややリスクがあるかも
しれません。

オルタナティブについても不動産同様5%増やして25%です、
マネージド・フューチャーズは昨年ほどの期待はできませんが、
それでもまずまずのリターンは得られるでしょう。

クラシック・コインは今年意識して投資したいと思います、
現物資産への分散という意味もありますが、長期的に見た
収益への期待もあります。資金に余裕のある方は、量に走らず、
良いものを少しずつ増やすこと。安物買いをせず、状態の良いもの、
残存数の少ないものを少しずつ買い増されることをお勧め
致します。

 

以上です。

今年もまた随分長くなってしまいました、
ほとんどの方は途中で読むのをやめてしまったかもしれませんが、
最後までお読み頂いた方、誠にお疲れ様でした、書いているほうも
結構疲れます。

ただ中身は凝縮されていますし、
毎年この予想は結構高い精度で予想できています、
皆様の投資のヒントとしてお役にたてれば幸いです。

ご参考までに昨年の年初に配信させていただいた
メルマガは以下です、昨年も手前みそながら高い精度で
予想できたと思います。

https://www.ginzafp.co.jp/info/140110_2.html

最後になりましたが、今年一年の皆様の投資の成功を心より
お祈りしております。

 

では今年もよろしくお願いいたします。

(2015年1月14日)




 




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