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金利高を利用して元本確保型運用する

みなさんこんにちは。

昨年の今頃では考えられませんが、
ここまでアメリカの金利が上がってくると、
「元本確保型運用」が視野に入ってきます。

「ゼロクーポンの米国債」と株を適切に組み合わせれば、
私たちのような個人でも、自分の資産を元本確保型に
組み替えることができます。

ゼロクーポン債は保有期間中の利払いがゼロですが、
割引価格で購入できる債券です。

たとえば10年後に満期を迎えるアメリカのゼロクーポン債を、
私たちは現在70ドルほどで買えますが、
この債券は満期時点で100ドルで償還されます。

この性質を使うと、
私たちは自分の資産を元本確保型(注)にすることができます。

注)米ドル建てです、円建てでない点にはご注意ください。

たとえば皆さんが1000万円部分を、(米ドル建て)元本確保型に
組み替えたいと考えたとしましょう。

まず1000万円を米ドルに両替するところから始めます。

現在の為替レートは1ドル=150円ほどですので、
皆さんは約6.7万ドルを入手できます。

この6.7万ドルのうち70%で、
10年後に満期が来るゼロクーポンの米国債を買うとどうでしょう。

この場合、皆さんは4.69万ドルぶんの
米国債を入手できます。

・6.7万ドル×70%≒4.69万ドル

この米国債は10年後に6.7万ドルになりますから、
これだけで皆さんは元本を確保できることになります。

・4.69万ドル÷70×100=6.7万ドル

残った米ドル(6.7万ドル-4.69万ドル≒2万ドル)は、
何に投資してもOKです。

なぜならこの2万ドルが全部飛んでも、
10年後に保有している米国債の方が、
上記のように6.7万ドルで償還されるからです。

いまたたき売られているアメリカのハイテク株や半導体関連株も
面白いでしょう、リスクを避けたい人なら世界の株価に連動するETFに
投資してもいいと思います。

ポイントはこの積極運用部分の2万ドルが無価値になっても、
10年後に初期投資額の6.7万ドルが確保されるという点です。

昨年あたりまでは世界的な超低金利が続いていたので、
このような設計はムリでしたが、いまなら可能です。

しかも証券会社が設定する元本確保型ファンドと違って、
極めて低コストで設計することができます。

以前も申しましたが、
僕はアメリカの金利高は長続きしないと思います。

したがってこのような元本確保の運用は、
アメリカの金利が高い今の時期ならではだと思います。

ただしいくつかの注意点はあります。

まずうえの仕組みは米ドル建てであり、
米国債の満期時点で円高に振れていれば、
円建てで元本確保はできません。

長期的には円安傾向だと思いますが、
足元はちょっとドル高が行き過ぎで、短期的には修正される
局面が出てくると思います。

運悪く満期時点で円高に振れていたら、
その時点ではドルのまま維持し、ドルで再投資するといいでしょう、
円安を待って円に戻してもいいと思います。

あと起こりにくいとは思いますがアメリカの財政破綻です、
万一アメリカ国債の価値が棄損するような状況になれば、
元本確保の目論見は崩れます。

三つ目にご注意いただきたいのは、ご自分の資産のうち、
どの部分を元本確保型に組み替えるかという点です。

元本確保のためには途中で債券を売却できません、
資産全体を見渡し、またライフプランなども併せて考え、
ご自分のどの部分を元本確保型にするか決めなくてはなりません。

最後にご注意いただきたいのは、何年後に元本確保の満期を
設定するかという時間軸です。

10年満期なら組み入れるゼロクーポン債は10年ものですし、
20年後の価値を元本確保したいなら、
組み入れる米国債も20年ものにしなくてはなりません。

以上いくつかの注意点はありますが、
高金利の今だからできる元本確保型運用です。

 

では今回はこのへんで。

(2022年10月20日)




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